ニュージーランド代表(オールブラックス)FW第一列のデーン・コールズは、「ピッチ外の厄介者」から現代最高峰のフッカーへと成長し、31日に行われるラグビー・ワールドカップ(W杯)決勝の対オーストラリア戦を存分に楽しむつもりだ。

28歳のコールズはパワー、巧みなボールさばき、スピードも兼ね備えた今世紀型のプレーヤー。一世代前には考えられないような特長をすべて併せ持っており、今大会でのパフォーマンスで「世界屈指のフッカー」としての名声を得た。しかし、若かったころは飲酒などピッチ外でしばしば問題を起こし、6年前にはニュージーランド協会から1000ドルの罰金が科されたほか、飲酒カウンセリングを命じられた苦い経験を持つ。

問題児から脱して飛躍するきっかけを作ってくれたのがケビン・メアラムだった。キャップ数131を数えるオールブラックスの伝説的なプレーヤーが3年前、自身のラグビーへの姿勢を完全に変えてくれたのだという。「彼は私が常に見習ってきた人で、同じチームでも実際にやってきた。彼とは、何年にもわたって、自分のプレー向上のために数えられないほどの会話を重ねた。オールブラックス入りするチャンスを得たのは、彼がいたのが大きかったと思う」。感謝してもしきれないほどの思いがあるという。

前回大会は「ファンのひとり」だった。「こういった場でプレーすることを常に夢見ていたが、実際にここにくるまで、実現するとはまったく考えもしなかった」。いまや今大会のスター選手の1人にまでなったコールズは感慨を込めて振り返る。

「(かつては)騒ぎまくった。だがそういう時期を越したら、オールブラックス入りを目指して懸命に練習しまくっている自分がいることに気付いた。そしてチャンスをつかんだんだ。2011年大会の決勝を見ていたが、私はひとりのファンにすぎなかった。だから今大会の決勝でプレーするチャンスを得ることができれば、願ったりかなったりだ。その時が待ちきれないよ」。

キャリアの分岐点は2012年。オールブラックスの経験豊富なフッカーだったアンドリュー・ホアが、ウェリントン・ハリケーンズからオタゴ・ハイランダーズへ移籍し、コールズが正フッカーへ昇格した。「『3年間も控えでやってきた。来年こそ僕はオールブラックス入りする』と密かに思ったんだ。オールブラックス入りの可能性を高めるため、できることはすべてやった」。

オールブラックス入り後は、名将スティーブ・ハンセン監督に鍛えられて秘めた才能が開花したが、陰に日向にアドバイスをくれたメアラムの存在は何よりの支えになったのだという。この大会の決勝を最後に代表引退が濃厚な36歳のメアラムへ、コールズは敬意を込めて語った。「彼がどれだけ大切な存在か、長年にわたり私のために尽くしてくれたこと、これらは言葉で説明することはできない。彼はとても特別な人なんだ」。

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