世界ランキング2位のオーストラリアが、波に乗るアルゼンチンに29−15で貫禄勝ちし、3大会ぶりに決勝の舞台へ駒を進めた。だが、スコアほどの差はなく、優勢との下馬評とは違って終盤まで苦しい展開。初の決勝進出を目指して決死の覚悟で立ち向かった南米の雄との80分間は、両チームともに流血選手が続出する文字通りの「肉弾戦」となった。

立ち上がりは快調だった。前半2分、長身ロックのロブ・シモンズが相手パスをインターセプトして独走、ゴールポスト右横にいきなり先制トライ(ゴール)を決めた。10分にもSOバーナード・フォーリーからのロングパスを受けたWTBアダム・アシュリークーパーが右隅にトライ(ゴール)。そのまま試合を支配するかに見えたが、相手の鋭い出足に反則を繰り返して3PGを許す結果になった。

19−9で折り返した後半も、アルゼンチンの反撃は鋭く、再びミスを重ねて相手にPGを与え、15分には22−15と7点差まで詰め寄られる始末。ここから控え4人をピッチに投入したアルゼンチンの猛攻に、一時は防戦一方となった。

1トライ、ゴールで同点とされる緊迫の局面が続いたが、ここからの終盤で今大会のオーストラリアの真骨頂が発揮される。鋭いタックルで相手の出足を止め、密集でも相手ボールを再三奪い返して押し返し、アルゼンチン得意のオープン攻撃も完全に封じ込めた。耐えに耐えた32分、アシュリ−・クーパーがハットトリックとなる3度目のトライ(ゴール)。粘るアルゼンチンの息の根を止めた。

苦闘の末に勝利を手にしたマイケル・チェイカ監督は「相手はとても攻撃力のあるチームだったが、ディフェンスには満足している。4トライできたことには満足しているが、もっと向上できるし、そこが今は重要だ」と準決勝での選手たちのパフォーマンスに合格点を与えたが、決勝へ向けて更なる注文も付けた。

オーストラリアが決勝に進んだのは過去3度で、優勝は91年、99年大会の2度。開催国として臨んだ03年は、準決勝で宿敵ニュージーランドを倒しながら決勝では延長戦の末にイングランドに屈している。

決勝の相手、ニュージーランドとは誰もが知る長年のライバル関係だ。とはいえ、両国の対抗戦、ブレディスロー・カップを巡っては、カップがタスマン海を越えてオーストラリアにやってきたのは02年が最後だ。通算の対戦成績は154戦でニュージーランドの105勝42敗7分け。ライバルとは言いながら、大きく水を開けられているのが現実だ。

特に、ここ10試合では1勝7敗2分けとオールブラックスに圧倒されている。大一番の舞台は31日のトゥイッケナム競技場だが、この両チームが決勝で顔を合わせるのは初めて。「世界最強軍団」との対決へ秘策はないのか。チェイカ監督は「ここ10試合でうちが勝てたのはたったの1回だけ。われわれが勝つには、プラスアルファのパフォーマンスが必要だ」と冷静にコメントした。

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