戦前の予想では劣勢と見られていた南アフリカだったが、試合の途中から降り始めた激しい雨の中、元王者らしいラグビーでニュージーランドをあと一歩のところまで追い詰めた。

ハイネケ・マイヤー監督は「オールブラックスをたたえたい。彼らは素晴らしいチームだ」と語り、試合前に「史上最強」と評したニュージーランドへの賛辞を惜しまなかった。だが、わずか2点差で決勝進出を逃した落胆の大きさは隠せない。「いくつかのミスを犯した。それが勝敗を分けた。チャンスを生かすことができなかった。本来ならば私たちが決勝に進出すべきだった。2番ということには我慢できない」。主将のフーリー・デュプレアも「失望している。わずか2点差の敗戦は受け入れがたい」と腫れ上がった顔に悔しさが溢れていた。

マイヤー監督が「完ぺきだった」と振り返った前半は、ニュージーランドが繰り返した反則からSOハンドレ・ポラードが確実にPGを決めて12−7とリードを奪った。しかし、後半は指揮官が「雨のコンディションにうまく順応できなかった」と悔やんだ内容で逆転を許した。

80分を通して接戦が続いたとはいえ、デュプレアが「ニュージーランドは私たちに重圧を掛け続けた。自陣から出るのも難しかった」と振り返ったように、相手ゴールラインに迫ることができなかった。しかし、勝つチャンスは確かにあった。

前半39分、ニュージーランドのフランカー、ジェローム・カイノがシンビン(一次退場)となったが、その後の10分間の数的有利な状況を生かすことができなかったのだ。2点差で追いかけた後半30分すぎも、敵陣で自軍ボールのラインアウトを獲得した。マイボールを確保できれば、DGなどを狙うことも可能であったが、ニュージーランドにボールを奪われ、逆転の好機を逸した。

痛かったのは後半12分に許した逆転トライ。南アフリカは自陣でボールを確保したが、突進したスカルク・バーガーがニュージーランドの選手にタックルされて落球。その直後の攻撃からトライを許して12−17と逆転されると、2度とリードを取り戻すことができなかった。チームの副将を務めるバーガーは「試合を通してミスがいくつかあったが、最大のものは私が自陣の22メートルラインの内側でボールを奪われた時だ。その後に7点を決められた。試合の分岐点になったと思う」と自らのミスを冷静に分析した。

準決勝で敗れたとはいえ、南アフリカの大会は終わっていない。30日の3位決定戦では25日に行われる準決勝のアルゼンチン−オーストラリアの敗者と対戦する。今大会では初戦に日本に敗れた後、チームは見事に立ち直った。だが、決勝進出を逃したいま、マイヤー監督が「精神的に難しい試合」と話す3位決定戦に戦意を再び集中させるのは難しそうだ。

提供:RNS fs/kf