「史上最強のオールブラックス」ともいわれたニュージーランドが、宿敵の奮戦に苦しめられながらも逃げ切り勝ち。20−18とわずか2点差の辛勝だったが、世界3位の南アフリカを倒して史上初の大会連覇へ大きく前進した。

準々決勝のフランス戦で圧勝し、意気揚々と準決勝に乗り込んだニュージーランドだったが、立ち上がりから苦戦の連続。PGで先行された後の前半6分、ジェローム・カイノがリッチー・マコウ主将の相手頭上を越す巧みなループパスをキャッチして豪快にトライ(ゴール)を決めた。ここからいつものパターンでギアを上げるかと思われたが、気迫に満ちたスプリングボクスが大きく立ちはだかった。

得意のスピード感あふれる攻撃も、南アフリカの巨漢に次々とタックルを浴びせられて破綻。ショートパントやキックを織り交ぜた多彩な攻めも、次第に強まる雨にも邪魔されて実らない。

だが、前半を終わって5点差の劣勢に立たされても慌てないのが世界王者だ。後半6分には世界屈指のSOダニエル・カーターがラインアウトからピッチ中央に送られたパスを受け、見事にDGを決めて2点差に。12分にはピッチに送られたばかりのボーデン・バーレットがチーム2つめのトライ(ゴール)を決めて逆転に成功した。その後はスプリングボクスの反撃を堅守で防ぎ切り、冷たい雨の中で試合終了の笛を聞いた。

際どい勝利をものにしたスティーブ・ハンセン監督は「冷静さを保っていた私の選手たちを誇りに思う。後半に入って追加点を入れることができたので、終了まで冷静にプレーすることができた」と戦いぶりを評し、頼もしいオールブラックスたちをねぎらった。

劣勢にも終始落ち着いてチームをリードしたマコウ主将は、この試合がW杯12試合目の主将。2003年大会イングランドを優勝に導いたマーティン・ジョンソンら5人が持つ11試合を更新し、W杯史上で最も多くチームを率いたキャプテンとなった。「今日は厳しい戦いだったが、スプリングボクスとの戦いはいつもこうなると予想している。来週、決勝を戦うことが楽しみだ」と語り、連覇へあと1勝とした喜びをかみしめた。

この大会を最後に現役引退をほのめかしているマコウ。長年チームを率いた闘将が国際舞台に別れを告げるのには、W杯の優勝が何よりの贈り物になる。チームの誰もが願っている最高の結果へ、あと1勝となった。

提供:RNS hi/kf