24日、トゥイッケナム競技場で行われる準決勝の南アフリカ−ニュージーランド戦。この大一番でファンが胸躍らせるであろう4つのポジション、SO(スタンドオフ)WTB(ウイング)そしてFWのフッカーとフランカーの激突に注目したい。

SOはベテラン、ダニエル・カーターがスプリングボクスの新鋭ハンドレ・ポラードを待ち構え、WTBはオールブラックスの力を見せ付けようとするジュリアン・サベアに対してブライアン・ハバナが自らのペースに引き込んで勝負を挑む。フッカーはデーン・コールズとスプリングボクスのビスマルク・デュプレシーが力と力ののぶつかり合い。フランカーはオールブラックス主将のリッチー・マコウが、大一番での経験値でスカルク・バーガーの粘り強さを受けて立つ。

SO(スタンドオフ)

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ダニエル・カーター(ニュージーランド)

(33歳、110キャップ、1569得点、今大会:4試合出場、53得点、キック成功30回中24回=成功率80.0%)

110キャップ、1500得点以上を獲得しているダニエル・カーターはSOのポジションを知り尽くしている。大会後にフランスの1部リーグ、トップ14の「ラシン・メトロ92」への移籍が決まっているのはうなずける。年齢的にペースは少し落ちたかもしれないが、今大会では同ポジションのライバル3人にゲイン距離で負けてない。彼のマネージメント能力は右に出るものはなく、瞬時にそして正確に出すパスの威力は準決勝でフランスを打ちのめしたことでも証明されている。しかし、豪華メンバーのオールブラックスの中ではさらなる守備力向上が課題になっている。優勝した2011年W杯ではけがのため最後まで戦えなかったが、そのことが今大会で燃える闘志の源泉になっている。

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ハンドレ・ポラード(南アフリカ)

(21歳、18キャップ、159得点、今大会:5試合出場、64得点、キック成功30回中22回:成功率73.3%)

弱冠21歳のポラードは、カーターと比較すれば子犬のような存在かもしれない。しかし、十代で“南アフリカラグビー界の救世主”と呼ばれるほどの才能ならば、限りなく大きな期待を背負って立つことが求められる。キックに関しては前任者たちほどのシャープさはないが、長身でパワフル。武器は思い通りに蹴れる効果的なドロップキックで、今大会ここまで5試合でチームの199得点獲得に貢献している。強力なゴールゲッター、ブライアン・ハバナとJP・ピーターセンの2人が控えているのも心強い。ハイネケ・マイヤー監督は常々ポラードを「本物」と評価しているが、今回ほど「本物」を証明するのにふさわしい舞台はない。

WTB

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ジュリアン・サベア(ニュージーランド)

(25歳、39キャップ、38トライ、今大会:4試合出場、8トライ、ゲイン距離362㍍)

ジュリアン・サベアのフランス戦での3トライ成功で、今大会最多トライの称号獲得はほぼ確実になった。知られているように、オールブラックスでのデビュー戦(12年対アイルランド)で3トライをマークしたのを皮切りに1試合1個のペースでここまでトライを重ねてきた。パワー、体力、スピードは幼少期の母国のヒーロー、ジョナ・ロムーと比較される域に達している。南アフリカにはサベアに似た体型のWTBのJP・ピーターセンがいるとはいえ、サベアの力は抜きんでている。

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ブライアン・ハバナ(南アフリカ)

(32歳、115キャップ、64トライ、今大会:5試合出場、5トライ、ゲイン距離249㍍)

南アフリカのメディアは、ハバナの32歳という年齢、過去6年間の成績からもこれ以上の上積みはなく、ピークは過ぎたと評価していた。ところが、今大会では5トライをマークし、ジョナ・ロムーの大会通算記録に並ぶ15トライの大記録を達成した。スタートして最初の5㍍で一気にギアが入るスピードは素晴らしく、身体能力、現在の体調とも最高のタイミングでピークに持ってきたといえるだろう。

 

フッカー

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デーン・コールズ(ニュージーランド)

(28歳、34キャップ、今大会:4試合出場、26タックル、4ターンオーバー)

まさにモダンスタイルのフッカー。FW第I列としては素早く、オープンプレーの時にフリーでいい場所にいることが多い。そのため、オールブラックスはスプリットフィールドで相手の不意を突くときにコールズを起用する。幼少期には、俊足で華麗なFBだった伝説的な名手、クリスチャン・カレンに憧れていたそうで、そのこともプレーに影響しているかもしれない。ラインアウトの正確さからも、世界一のフッカーと呼ばれる理由が分かるだろう。

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ビスマルク・デュプレシー(南アフリカ)

(31歳、77キャップ、今大会:4試合出場、13タックル、4ターンオーバー)

日本戦で衝撃的な敗戦を喫したことで、“戦艦ビスマルク”が準決勝で火を吹くことは間違いないだろう。強靭で闘争心旺盛。FW1、2列目の5人がどのポジションよりも重要とする母国ラグビーの伝統を守っている存在。キャップ数の3分の2ほどは控えで得たもの。しかし、名手ジョン・スミットの影に隠れていたためで、デュプレシーの才能を示しているわけではない。

 

フランカー

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リッチー・マコウ(ニュージーランド)

(34歳、146キャップ、今大会:4試合出場、35タックル、4ターンオーバー)

オールブラックスのメンバーで最初に名前が挙がる選手。マコウの恐るべきパワーは衰えることを知らない。すでに母国の「バックロー神殿」では高貴な存在だが、W杯連覇の偉業へ導くことができれば、さらなる高みに祀られることになる。重要な試合、素晴らしい選手、そしてこれまで多くの成功を収めた最高の相手、スプリングボクスとの対戦という舞台だ。

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スカルク・バーガー(南アフリカ)

(32歳、84キャップ、今大会:5試合出場、55タックル、1ターンオーバー)

難病の手術で闘病生活を送ったバーガーは、ここ2〜3年は持って生まれた超人的な力が影を潜めていた。だが、生死の境を乗り越えて復帰した後は、まるで子供を相手にしたような暴れっぷりだった。巨漢で疲れを知らないプレー。7番のジャージーながら最初にボールへ触ることは少ないが、執念で多くのカウンターラックのチャンスを作っている。バーガーがマコウを抑え切れば、スプリングボクスにも大きくチャンスが広がる。

 

提供:RNS ns/ig/yk/kf