ニュージーランド代表(オールブラックス)ジュリアン・サベアの輝かしいトライ記録の中で、唯一欠けている部分がある。いまや、比類ない往年のスター、オールブラックスのジョナ・ロムーとの比較までされるサベアは、代表デビューからの39試合で38トライを記録する活躍をしているのだが、対南アフリカ戦(5試合)ではいまだにノートライなのである。オールブラックス対策を練る南アフリカにとって、それは果たして朗報なのかどうか。

フランスとの準々決勝では3トライを挙げて勝利に貢献するなど、今大会でもすでに8トライをマーク。ロムー、ブライアン・ハバナ(南アフリカ)が持つW杯1大会最多記録にすでに並んだ。一方でハバナは今大会ここまでに5トライで、ロムーのW杯通算最多記録15個に並んでいる。準決勝で対戦するサベアとハバナがトライを挙げれば、互いにロムーの1大会最多、もしくは通算のトライ記録を抜くことになる。

試合に向けて準備を進める南アフリカのキャンプでも、慎重に言葉を選びつつサベアを賞賛している。「ザ・バス」の異名をとるWTBをどうやって止めればいいのかは誰も分からないが、同じポジションのJP・ピターセンは25歳のサベアとの対戦を前に「彼とはあまり直接対決したことがない。スーパーラグビーでは対戦したが、その時は私がCTBで、エリスパーク(2014年10月)では途中出場だった。直接の対決は今週末が初めてとなる」と口を開いた。「ジョナ・ロムーと彼を比較することはできないと思う。だってロムーは今まで誰も達成したことのない偉業を成し遂げている。でもジュリアンも彼流の素晴らしい選手。接触プレーに強く、キックもできる。自分のベストの状態で戦わなきゃいけない難しい相手だ。タフなチャレンジになるよ」と警戒を強めていた。

通算記録で並ばれているハバナは、サベアのデビュー当時から知っているため、より一層思い入れがあるようだ。「彼が最初にオールブラックスのユニホームに袖を通したころは、その技量を疑う声があった。しかし、見てわかるようにここ3年間で大いに成長した。特に今大会ではね」と急速な成長を振り返る。

「彼のことをロムーと比較する人もいるが、記録達成の速さでは今回でロムーを超えた。強靱な肉体を持つだけじゃなく、信じられないようなスピードがあり、全ての面で成長した。ウイングとして、さらにキックゲームでも向上した。土曜日(17日)にソーシャルメディアに載せたが、彼がジョナと僕の記録を1大会で出してしまうなんて、本当に素晴らしくスペシャルなことだ。国際的なスーパースターだと自分で証明したよ」と大絶賛した。

スーパースターの気持ちを語れるとしたら、ハバナがふさわしいだろう。そのハバナが絶賛するサベアに、いま特別な舞台が用意された。

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