ワールドカップ(W杯)イングランド大会は南アフリカ、ニュージーランド、アルゼンチン、オーストラリアが準々決勝に進出し、大会史上初めて南半球勢が4強を占めることになった。ラグビー界の南北の格差は広がっているのか。広がっているならば、理由は何か。論争は簡単に終止符が打たれそうにない。

南半球勢が4強を独占したのは偶然という見方はある。アイルランドのジョー・シュミット監督も欧州6カ国対抗の出場チームと南半球勢に差はあるが、大差ではないと示唆した。その見解は必ずしも間違っていない。準々決勝の4試合のうち、アルゼンチンとニュージーランドは欧州勢に快勝した。しかし、南アフリカ−ウェールズとオーストラリア−スコットランドの2試合はどちらが勝ってもおかしくない大接戦だった。

だが、今回で8回目を迎えたW杯で、北半球勢が優勝したのは03年大会のイングランドだけ。17日の準々決勝でフランスに圧勝したニュージーランドのスティーブ・ハンセン監督らは北半球勢が南半球勢に劣る明確な理由があるとみている。

北半球での世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」の印象はバスケットボールのようなラグビーだった。技術は高いが、力強さに欠ける。しかし、現実にはスピード豊かな高水準のラグビーが展開されている。南半球4カ国対抗も忘れるわけにはいかない。12年から大会に参加したアルゼンチンは強豪3カ国と切磋琢磨したことで、代表の水準を飛躍的に高めることができた。ハンセン監督は4カ国対抗についいて、身体能力(南アフリカとアルゼンチン)と技術(オーストラリア)、身体能力と技術(ニュージーランド)が詰まった大会と表現。結果として「万能型の選手」を輩出することになっていると述べている。

ウェールズ代表のウォーレン・ガットランド監督も指摘しているが、ハンセン監督は速いテンポのランニングラグビーを習得する上で、欧州の冬の気候が妨げになっていると考える。「欧州の冬の気候は戦闘的な肉弾戦のラグビーをつくる。それは仕方がないことだが、ランニングラグビーをする能力を制限する。結果的にランニングラグビーをプレーしたくても難しいことになる」

ハンセン監督は各国のクラブチームの外国人選手の多さも北半球勢の劣勢の要因と考える。「(国内のクラブチームに)外国人選手が多すぎる。地元選手の出場機会を奪っている。結果として、代表に招集できる選手の数を制限することになっている」

今回のW杯は北半球のチームにとって苦い経験になった。だが、南アフリカに劇的な逆転勝ちを納めた日本が北半球のチームであることも最後に指摘しておかなければならない。

提供:RNS ic/sw/fs/kf