カーディフで行われた準々決勝のアイルランドーアルゼンチンは、南米の雄の快勝だった。1次リーグC組では王者ニュージーランドにこそ敗れたが、残りの3戦は格の違いを見せて堂々の2位通過。準々決勝の相手、アイルランドはニュージーランドとの対戦を回避するために1次リーグD組でフランスと激しい首位争いをし、多くの故障者を出しながら今日のカードを手にしている。その皮算用が大間違いだったことを、この日のアルゼンチンは証明して見せた。

試合開始直後から得意のバックスのスピードを生かして果敢に仕掛け、前半10分までに2トライ(ゴール)を奪って17−0と大きくリード。後半の立ち上がりから相手の攻勢で一時は3点差まで詰め寄られたが、慌てることなく2トライ(ゴール)を決め、粘るアイルランドをあっさり突き放した。

ダニエル・ウルカデ監督は「非常にうれしい。われわれはW杯で7戦(3位決定戦を含む)するという目標を達成した。試合全体を通してとまでは言わないが、序盤と終盤にはわれわれのプレースタイルを発揮できたことが特にうれしかった」とスピード豊かなバックスの威力でつかんだ勝利に満足げだ。

前回大会ではベスト8止まりだったが、今大会は堂々の4強入りを果たした。躍進の裏側には、前回大会以降に積み重ねてきた地道な努力が隠されていた。「トライネーションズ」の名称で長らくオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカで争われていた南半球3カ国対抗に参戦。アルゼンチンを加えたことで大会は4カ国による「ラグビー・チャンピオンシップ」と名称を変更した。強豪ぞろいのこの対抗戦でもまれたことで飛躍的に地力がアップ。昨年までは大きく水をあけられて最下位が定位置だったが、ことしは8月には南アフリカを37−25で撃破した。参戦から4年目にして3位に食い込み、W杯を前に大きな手応えをつかんでいた。

8月に南アフリカを倒した際にハットトリック(3トライ)を決めたフアン・イモフは、今日の試合でも2トライを挙げてチームの勝利に大きく貢献。「われわれは攻撃力があって上手くアタックすることができるチーム。この勝利を手にするために懸命に練習してきた」とこの日の勝利がフロックでないことを力説した。

2週間前に行われた1次リーグのトンガ戦には、サッカー元アルゼンチン代表のスーパースター、ディエゴ・マラドーナ氏が観戦に訪れた。同氏はアルゼンチンが勝ったこの試合の後、ロッカールームへ現れて「準決勝まで行ったら、また来てやるぞ」と激励した。アルゼンチンのこれまでのW杯最高成績は2007年大会の3位。母国の英雄から発せられた「準決勝進出」という至上命令を達成したいま、大会の台風の目になってきた。

提供:RNS hi/kf