南半球の3チームが4強進出を決め、北半球最後の望みを託されてオーストラリアに挑んだスコットランド。大観衆の前で息を呑むシーソーゲームを展開し、優勝候補をあと一歩のところまで追いつめながら、勝利の女神には最後にそっぽを向かれた。

34−32とリードして残り2分。スコットランドのジョン・ウェルシュがとっさにつかんだボールは、直前にオーストラリア選手の手に当たったように見えたが、主審の判定はスコットランドによるオフサイド。スコットランドファンの大ブーイングがとどろく中、そこまでキックにやや正確性を欠いていたSOバーナード・フォーリーの逆転PGが大きくバーを越えていった。

ぼうぜんと立ち尽くす選手たち。主将のSHグレイグ・レイドローは「今日の試合では全てビデオ判定に持ち込んでいる。だから、あの場面もビデオ判定に委ねない理由はない」と不満を口にすれば、バーン・コッタ−監督も「これがスポーツ」としながら「(ビデオ判定を)してくれたらよかった」と勝敗を分けた微妙な判定に疑問を投げかけた。

序盤にリードを許したものの、どのポジションでも身体の強さを生かして互角以上の戦いを展開。18分にスクラムの穴を突き逆転トライを奪取すると、1次リーグで日本も苦しめられたレイドローがPG3本とゴールをすべて成功させ、16−15とリードして折り返した。

後半も出足の早い果敢な守備を仕掛け、19分に敵陣内でのパントブロックからWTBトミー・シーモアが25−24の逆転トライ。再度リードされ強烈な雨がたたきつけ始めた34分にも、CTBマーク・ベネットが敵の最後尾でのパスをかっさらってゴール中央に同点トライ(ゴール)。4強をほぼ手中に収めたかと思われただけに、無情なレフェリーの笛だった。

今年の6カ国対抗では全敗。決勝トーナメント前には屈辱的とも思われる優勝倍率100倍をつけられたが、下馬評を完全に吹き飛ばす堂々の戦いだった。今大会で単独トップとなる79点目を挙げながら、後半20分にこの日唯一のゴールを外したレイドローは「キック1本の差だった」と唇をかんだ。

提供:RNS mn/kf