W杯優勝2度のオーストラリアは6度目の準決勝進出が有力視されており、揺るぎなく、全ての試合に全力を注いでいる。対照的にスコットランドのディフェンスは穴だらけと指摘されている。

そのオーストラリア代表の中軸、デービッド・ポーコックはフィールド内で相手の夢を奪ってしまう存在だ。強力なターミネーター「必殺仕事人」は、力ずくでボールを奪い、あっという間に試合の流れを変えることができる。イズラエル・フォラウが滑らかなステップで試合展開を変えるように。しかし、16日にそのポーコックとフォラウが負傷のため出場を見合わせることが発表され、スコットランドに一筋の光が見えてきた。ここまでで今大会ベストプレーヤーのポーコックが欠場すれば、スコットランド代表の夢はかなうことになるのか。

相手主力の欠場を喜ぶわけではないが、スコットランド代表が気持ちを入れ替えるにはいい材料になった。さらに、サモア戦での危険なタックルで今大会ここまで出場停止となっていたジョニー・グレイとロス・フォードが準々決勝のこの試合に出場できる。失うものは何もなく、予想を覆す勝利の可能性も生まれてきたのだ。

ポーコックの存在がいかに大きいかはデータがはっきり示している。先発として出場した過去7年間では勝率69%の高率だが、出場しなかった試合では一気に51%にまで落ちる。今大会でも3試合で10個のターンオーバーを奪い、ゲインライン獲得はチーム内でフォラウに続く2番目の貢献度だ。ポーコックの代役は誰も務められないか?といえばそうでもない。マイケル・フーパーが復帰し、ナンバー8には今大会で活躍しているベン・マッカルマンが務める。スコットランドになぜ彼のあだ名が「マッド・ドッグ」なのか思い出させるためにも死ぬほどプレーしたいとのこと。

フォラウの穴はカートリー・ビールが埋める。バックローはフーパー、マッカルマンそしてスコット・ファーディー、そしてベンチには期待の若手ショーン・マクマーンが控えている。チェイカ監督は試合前日の17日に「ここ10、11カ月、全ポジションでの選手層を厚くするため、力を注いできた。ポーコックとフォラウは素晴らしい選手だ。しかし、代わりの選手たちのことも信頼している。マッカルマン、ビールはすでに貢献しているし、それは明日も変わらないだろう」と交代選手たちへの手応えを話す。

一方、バーン・コッター監督は24年ぶりの準決勝進出へ楽観的で、今まで組んだことのない二人のオープンサイドフランカー(ブレア・コワン、ジョン・ハーディ)で臨むというギャンブルに出た。オーストラリアの高い壁を乗り越えるには集中力、ディフェンスでの連係、より滑らかな攻撃が求められるだろう。「フィールドに立ち、全力を出すだけ。世界トップレベルのチームを相手に健闘できればいい。後退はしたくない。前進あるのみだ」とコッター監督は大一番への決意を簡潔に述べた。

 

オーストラリア代表がデービッド・ポーコックの欠場を惜しむ理由:
それは2008年11月1日のニュージーランド戦で代表デビューした後の勝率をみればわかる。

2008−15年 ポーコックが出場した全試合の記録:(引き分けは0.5勝と計算)
53試合 34勝18敗1引き分け 勝率65・09%

08−15年 ポーコックが先発出場した全試合の記録:
42試合 29勝12敗1引き分け 勝率70.23%

08−15年 ポーコックの代表デビュー後で彼がプレーしなかった試合:
47試合 23勝22敗2引き分け 勝率51・06%

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