ラグビー・ワールドカップ(W杯)には信じられない逸話がいくつかある。南アフリカ代表のフーリー・デュプレア主将によるものは、その中でも最高の一つだろう。

けがで代表を離れていたことを考えれば、デュプレアが今大会でウェールズとの準々決勝に向け、チームを率いる立場にいることは想像できなかった。

2011年から日本のトップリーグのサントリーでプレーするデュプレアは、顎骨骨折のジャン・デビリアスや太もも裏を痛めたビクター・マットフィールドを埋めるべく、スコットランド戦と米国戦で主将を務めた。

「選手人生を終わらせたかもしれない膝の手術を昨年6月に行って以来、ハードワークをしてきた。W杯開幕の2、3週間前まで、ここにいられるかどうか分からなかった。主将になるなんて思わなかった。チームにできる限り貢献したいと思っている」とデュプレア。足首、肩、膝へのけがに悩まされ、11年大会以降、代表戦出場は12回に限られていた。

デュプレアはデビリアスやマットフィールドのように、声を出して盛り上げるタイプのリーダーではないかもしれないが、主将になってからの変容を南アフリカ代表のファン・グラーン・アシスタントコーチは感じている。

「彼はここ数週間、非常に優れている。彼なりにリードし、チームは素晴らしい形で彼をサポートしている」と同コーチは感心した。

デュプレアが、04年と14年の間に出場したウェールズ戦7試合で一度も負けていないということもチームにとっては朗報だ。

経験豊富なデビリアスとマットフィールドが抜け、大会で勝ち進むにはルードベイク・デヤーヘルとエベン・エツベスら若手の活躍が必要になるが、ファン・グラーンコーチは「大会に臨むにあたり、われわれは『冷静さ』と『適用力』を重視することにしたが、彼らは見事に体現している」と話し、若手を頼もしく思っている。

提供:RNS sec/js/jh/hh