オーストラリア代表(ワラビーズ)のWTBアダム・アシュリ—クーパー(31)は16日、数日前に他界した幼なじみへの追悼の意を込め、今大会優勝への熱い思いを語った。

チームの副主将を務めるアシュリ−クーパーは、幼少期のチームメートで末期がん患者のガイ・グリンハムさん(31)が最後の願いの一つとして挙げたワールドカップ・イングランド大会でのワラビーズの観戦をかなえるために動いてきた。

10日にトゥイッケナム競技場で行われたウェールズ戦では、グリンハムさんが病院から救急車で搬送され、競技場内の個室に用意されたベッドから観戦できるよう手配された。オーストラリアがこの試合に勝った後、アシュリークーパーはグリンハムさんと彼の家族を抱きしめ、最後の満面の笑みを見るために、ユニフォーム姿のままスタンドを駆け上がった。

ニューサウスウェールズ州レベルのラグビー審判として人気を博したグリンハムさんだったが、不幸にも、ウェールズ戦の数日後に妻と2人の子どもが見守る中、息を引き取った。オーストラリア代表チームはトレーニング開始前に、グリンハムさんの死に黙とうをささげた。

ニューサウスウェールズ州のセントラルコーストでともにラグビーにいそしんだ。グリンハムさんのことで感情が高ぶる1週間を送ったアシュリークーパーは、18日にトゥイッケナム競技場で行われる準々決勝のスコットランド戦に向けて準備する中、グリンハムさんへの追悼の思いがチームを刺激し続けることになるだろう、と語った。アシュリークーパーは、亡き友人にささげるために勝ち進み、優勝杯を手にすることを願っている。

「彼が1年半前にがんと診断された時、バケツリスト(生きているうちに成し遂げたい行動や業績のリスト)を作ったが、彼はそのリストに『ワールドカップでオーストラリア代表のプレーを見ること』を挙げた。それは非常に特別なことだと思った」とアシュリ−クーパーは語った。

「ウェールズ戦に彼を招待し、彼のためにプレーすることが、チームとして、さらに、国として少なくとも彼のためにできることだと思った」

グリンハムさんの体調は、イングランドに到着した際に急激に悪化。グリンハムさんの両親は最後の別れをするためにオーストラリアからイングランドに向かうよう勧められていた。

「ウェールズ戦の前夜に彼の見舞いに行った。人生を大局的に見て、僕らがいかに恵まれているかを感じさせられる情緒的な時間だった。この経験から多くのものを得たと思う」とアシュリークーパーは振り返った。

「悲しい境遇ではあったが、はっとさせられる経験でもあった。試合後に彼と何かを共有し、彼を喜ばすこともできたから、とてもうれしかった。彼の笑みは心からのものだった」

「彼とはジュニア時代に一緒にプレーをして育った。セントラルコーストを2人そろって去った時、僕はプロレベルでラグビーを続けていた。彼はラグビーが大好きだったが、ラグビー界で残ってやっていくには審判になるしかなかった。学校卒業後に審判に転向し、スーパーラグビーレベルでも、ワラタスの試合で役員の補助をしていた彼と何度か顔を合わせていた」

「彼がこの世を去る前に、彼と彼の家族と勝利を共有できた。みんなが笑って喜ぶとても素敵な時間だった」

グリンハムさんが亡くなった後、マイケル・チェイカ監督はグリンハムさんの話をメンバーと共有するようアシュリークーパーに頼んだ。メンバー全員が、グリンハムさんがオーストラリア代表チームのプレーを見るためにイングランドまで命を懸けてやってきたことを聞いて感動し、士気が高まったという。

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