大量得点試合が生まれた1次リーグが終わり、展開の読めない接戦が予想される決勝トーナメントが始まる。1次リーグの「ティア1」(強豪国)同士での対決でも見られたように、トライや得点は減っても興奮度合いが下がることはない。

今大会最初の強国同士の対戦は、9月23日に行われたニュージーランド対アルゼンチン。オールブラックスが序盤に9点をリードするが、アルゼンチンは若いロック、ギド・ペッティパガディサバルのトライで反撃し、1点リードしてハーフタイムを迎える。ニュージーランドは後半17分、アーロン・スミスが今大会チームの挙げている25トライの第1号を決めて逆転したものの、残り15分の時点でリードはわずか3点。終盤にリードを10点差に広げたが、最後まで接戦だった。

死のA組に入ったウェールズのイングランド戦とオーストラリア戦、さらにD組最終戦のフランス対アイルランドも同じように緊迫した展開に。アイルランドは24−9で勝ったものの、残り8分までは5点差。オーストラリアが開催国イングランドを33−13の大差で下した試合でも、残り10分の時点では7点差しかなかった。

スコアは僅差に

質の高い8チームが大会のヤマ場を迎えるにあたり、上記の5試合はこれから先の試合展開を示唆している。ラグビーがプロ化されて以降、決勝トーナメントの各ラウンドでの点差平均は決勝へ近づくにつれ小さくなっている。プロ化後初となった1999年大会の決勝トーナメント7試合での点差平均は16。それが前回大会ではほぼ半分の8.5にまで縮小した。

http://www.worldrugby.org/photos/112695

上のグラフに見えるように、最近のW杯では最終的なスコアと比べて後半20分までの得点差が小さい。ここ2大会、後半20分時点での得点差平均は約5。残り20分の段階で14点差以上ついていた最後の試合は、フランスがアイルランドを下した03年大会準々決勝で40−7まで遡る。最終的には43−21だった。

勝利の方程式

一見すると当然と映る勝利が、実は全くそうではなかったこともある。南アフリカが37−20でサモアを下した07年大会準々決勝は、残り20分でスコアは20−20の同点。数分後にはフィジーのケレ・ラクァワがトライを試み、間一髪のタックルで阻まれたが、優勝したスプリングボクスをあと一歩のところまで追い詰めた。

「ライバルと戦うために必要な武器は持っている」とアルゼンチンのダニエル・ウルカデ監督は自信をのぞかせる。8強に残ったチームに必要なのは、自陣のゴールラインに敵を寄せ付けない鉄壁の守備と、敵陣でゴールを奪える信頼できるキッカー。試合の大部分を勇敢なディフェンスで耐え、15−9でウェールズを下したオーストラリアがこれらを見事に例示している。この方程式を決勝トーナメントで一番うまく再現できるチームが、15年大会の王座に就くだろう。

提供:RNS sg/tc/mn/kf