【スコットランド】

スコットランド代表チームは、あらゆるスポーツで1次リーグからファンをやきもきさせるのが特徴だ。それは今回も変わらなかった。堅実に日本と米国から勝利を奪った後、大幅にメンバーを落としていたとはいえ南アフリカに惨敗。準々決勝進出が懸かる中、すでに進出の望みが絶たれたサモアとの最終戦は問題なく勝てるとみられていたが、輝きを取り戻した相手と壮絶な試合になった。

注目選手

主将のグレイグ・レイドローはチームのリーダーとして高い評価を受けたことがなかったが、現時点での今大会最高得点者。きれいなキックや重要な場面での正しい判断など、ここまで別格の働きだった。サモア戦の残り6分で3点リード、のるかそるかの局面でPGではなくスクラムを選択し、守りのスキを突いて素早くトライを奪い取った。この決断が明暗を分けた。もしPGを選んでいれば、直後にサモアが決めたトライが決勝点になっていた。

最高の瞬間

日本戦の後半、中3日の相手に疲れが見えていたとはいえ26分間に5トライ。生き生きとした流れるようなプレーは素晴らしかった。なかでもフィン・ラッセルが縫うように走って、赤と白を身にまとう敵陣守備を切り裂いた最後のトライが一番だった。

最低の瞬間

サモア戦での同時タックルにより、「大会からの追放」を意味する3週間の出場停止を受けたジョニー・グレイとロス・フォード。処分に同意できない評論家たちからは、厳しすぎるとの嘆きも漏れた。裁定を「恥じるべき」と元代表のケニー・ローガンが怒れば、ともに戦ってきたジョシュ・ストラウスも「怒りが込み上げてきた」と不満げ。だがこの憤怒がチームを燃え上がらせるかもしれない。「モチベーションになるし、彼らのために戦って誇らしい気分にさせたい」

ベストコメント

世界へ向けたショーン・ラモントの警告だろう。「僕らは挑戦者の立場だが、スコットランドはそれを楽しんでいる。いくらでも見くびってくれて構わないが、そのうち泣きを見るだろう」

予想

あまり目を引くものはなく、むしろ問題は山積みだ。エンジンの掛かりの遅さ、驚くほど緩い守備、フォードとグレイの離脱、荒々しい次戦の難敵オーストラリア…。だがここ3試合で2度ワラビーズに破っていることを考えれば、賭け屋が設定した気前のいい100倍という大会優勝倍率すら楽しんでいるだろう。そして、あのJ・K・ローリングがスタンドで叫んでいることを考えれば、ハリーポッターの魔法が降りかかるような気がしないでもない。

提供:RNS ic/mn/kf