11日の最終戦で米国に勝利し、3勝1敗で1次リーグを終えた日本。目標にしてきたベスト8には惜しくも届かなかったが、1991年大会以来1勝も挙げられていなかったワールドカップの大舞台で世界に、そして日本に衝撃を与えた。

「今夜は多分、3千万人が日本で見ていたと思う。その中には子どもにラグビーをプレーしてほしいと思っている親もいるはずだ。見ている子どもの中には次のリーチ・マイケルになりたい子どももいるだろうし、鏡の前でこんなポーズをして五郎丸のキックを真似している子もいるだろう」と自身が指揮を執る最後の試合後に話したエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)。「この選手たちはヒーローだ。日本のラグビーのイメージを根底から覆した」と選手たちをねぎらった。

愚直に勝利のみを目指し、劇的な逆転トライで世紀の大番狂わせを演じた南アフリカとの初戦。相手がピークを準々決勝以降に持ってくると確信し、初戦に全力をぶつけたジョーンズHCと選手たちのプレーは世界中に日本ファンを生んだ。中3日のスコットランド戦には敗れたものの、サモア、米国との残り2試合では文句なしの勝利を収め、3勝しながら1次リーグを突破できない史上初のチームになった。

チームの中心には主将のリーチ。「引き分けは前にもあった」と、トライを目指してかたくなにタッチラインへボールを蹴り出す判断を下した初戦と違い、前半に大量リードを奪った第3戦のサモア戦では、底力のある相手の力量を推し量り、4トライによるボーナスポイントよりも勝ちを最優先に置いた。全幅の信頼を置くキャプテンの決断を、チームメートは正面から受け止めた。

南ア、スコットランドと、短期間での強国との連戦が続いたスケジュールについて、「これまでの日本ラグビーの結果」との声も聞かれた。「食物連鎖の下にいるときは、与えられる物をもらうしかない。もし次回大会の時点でトップ10にランクされていれば、我々はもう弱くない。今回のようなスケジュールは課せられない」と話したジョーンズHCの言葉を、現実にするための4年間が始まる。

「ヒーローがいると、子どもたちはそれを超えていきたいと思う。新しい世代の選手、新しい世代のファンを獲得するために、日本にとって素晴らしいチャンス」。これ以上ない形で、2019年の自国開催へステップを踏んだ1カ月だった。

提供:RNS mn/hh