デスメタルとラグビーのワールドカップ(W杯)。日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の通訳、佐藤秀典さん(34)は一見、遠く離れた世界を近づけさせている。

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日本で生まれ、10歳のときにオーストラリアへ移住した佐藤さんは、4月からジョーンズHCの通訳を務める。

日本のトップリーグのキャノンで通訳を務めたが、本業であるデスメタルバンド「インファーナル・リバルジョン」のボーカリストの活動を優先するため、ラグビー界に戻る予定はなかった。

しかし、キャノンのときに交流があったジョーンズHCから「ぜひ、やらないか」と声が掛かり、「こんな機会は二度とないと思った。国の代表に携れるなんて、そうはない。自分の糧になると思って、半年だけやれるだけやるとコミットしました」と、3枚目のアルバム制作を中断して、引き受けることにしたという。

ジョーンズHCも佐藤さんの実力を認め、「多国語のチームでは、通訳の存在は重要だ。彼はうまい。正直だし、日英両方の言語のレベルが高い。日本人のしきたりも外国人のしきたりも理解している。チームにとって素晴らしい加入だ」と賞賛する。

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ジョーンズHCは日本を2015年W杯で最も注目を集めるチームにしただけでなく、次々に面白いコメントを出すことでも有名な監督となった。ジョーンズHCのように機転が利き、知識がある人物の通訳は難しいと佐藤さんも認める。しかし、日本語で“ジョーンズ流”を伝えるのは複雑ではないとも。

「単刀直入。エディーを訳すのが一番簡単です。メッセージがしっかりしていて、回りくどい言い方をしない。無駄がない。きちんと組み立てて話す。難しいところは(しゃべるのが)速い。僕に(通訳をする)間を空けてくれないから、一瞬の間で言わないといけない」と笑い「知識があり、いろいろなことを引き合いに出してくるので難しい」と話した。

ミュージシャンとしてスポットライトを浴びることに慣れている。しかし、今は「私の仕事はチームのサポート。黒子なので出しゃばっちゃいけないし、はしゃいじゃいけないと思う」と冷静だ。

音楽への愛が彼の人生の最優先であることに変わりはない。しかし、日本代表と一緒の時間が彼の通訳への情熱にまた、火を付けたようだ。帰国後はトップリーグでの仕事が目標。「こんなめったにない経験をさせてもらいました。このまま突っ走って、はじけたいです」と最後はミュージシャンらしくまとめた。

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