1次リーグA組は3日、開催国イングランドがオーストラリアに敗れて、屈辱の1次リーグ敗退が決まった。何人かの専門家はオーストラリア戦前、一緒にプレーした経験や慣れがとても重要であると指摘していた。それだけでなく、イングランドのスチュアート・ランカスター監督本人も、ワールドカップ(W杯)前の合宿の目的を「チームのまとまりを高めるため」と話していた。

表向き、そのための一番の近道は、1つのポジションに同じ組み合わせの選手を呼び、何度も一緒にプレーさせ、テストマッチの激しさに耐えうる理解力を育むことだろう。

だが、敗退が決まる前に専門家たちが指摘していた、イングランドには全く、あるいはほとんど団結がなく、テストマッチで一緒にプレーを経験したことも少ないとの主張は誤っていた。

そもそもテストマッチに同じメンバーで臨むことは、一般に思われているよりも珍しい。先発15人どころか、フォワード陣が同じメンバーで何度も一緒にプレーしていること自体通常はない。

初戦と同じメンバー

テストマッチで先発15人が一緒だったのは、96年の南アフリカの5回が最多。4回は96年のスコットランド、97年のニュージーランド、98年の南アフリカとオーストラリア、2000年のイングランドが記録している。

3回は過去21チームあるが、上記のいずれも同じ先発メンバーが2試合連続で選ばれたことはない。繰り返すが、95年以降、先発メンバーが1年の間に5回も同じだったことは1度しかない。

これらを踏まえ、さらにほかのチームと比べると特に分かるのは、イングランドのテストマッチでのまとまりが実のところなかなか高度だったこと。例えばランカスター監督は、W杯前最後の強化試合、アイルランド戦とW杯初戦のフィジー戦で同じ先発メンバーを起用している。

イングランド−オーストラリアの試合前の時点で、両チームが各ポジションに同じ組み合わせの主要メンバーを起用した回数は以下の通り:

 

ポジション オーストラリア イングランド
フロントロー 3 9
セカンドロー 4 9
バックロー 2 9
SH+SO 1 7
CTB 3 2
WTB+FB 3 8

 

イングランドがオーストラリアより経験の少ない組み合わせを起用したのはCTBのみで、それも1試合少ないだけ。コンビネーションが必須となる代表戦で、同じチームメートとプレーすることに慣れているのはイングランドの方だった。

だがオーストラリアが明らかに優位に立っていたのは、元代表プロップでアナリストのベン・ダーウィンが言うところの“ボトムアップ”(クラブレベル)のまとまりだった。先発15人は4クラブから選ばれ、うち1、2、6、8、13番はブランビーズ、3、7、10、11、14、15番はワラタスの選手。4、5、9番はレッズから選ばれ、フランスのトゥーロンに所属する12番のマット・ギタウのみがスーパーラグビーの外でプレーしている。その彼にしても、高い技術と豊富なテストマッチ経験を持っている。

対照的に、イングランドはクラブレベルでのまとまりがほとんどなかった。先発15人は8クラブから選ばれ、1人ずつが先発したワスプスとエクセターの選手は31人の中に他にいない。2番と3番のレスターコンビと10番、12番のサラセンズコンビは有益だったが、他のポジションはオーストラリアに比べ結束がなかった。

スーパーラグビーのアドバンテージ

イングランドの方が代表チームで一緒にプレーした経験は多かった。オーストラリアはその点では劣っていたかもしれないが、クラブでの経験と慣れがより強固なまとまりをチームに与えた。少ないチーム数が代表チームにまとまりを生むという点で、スーパーラグビー(オーストラリアから5チーム参加)はプレミアシップ(12チーム)より大いに有利だ。

まとまりが重要と言っていた専門家は間違ってはいなかったが、テストマッチでの慣れをかなり過大に評価していた上、ランカスター監督は実際のところテストマッチ慣れしたチームをつくり上げていた。しかし、各クラブの“上”で代表チームづくりを進めたことで、本質的に不利な状況にあった。

提供:RNS as/bo/mn/hh