スコットランドは過去のラグビー・ワールドカップ(W杯)で、試合ごとにチームメンバーをがらりと変えたことがあった。2007年大会、当時のフランク・ハーデン監督が1次リーグ最終戦のイタリア戦に主力選手を温存させるため、3戦目のニュージーランド戦にはわずか2人の主力選手を入れただけの先発メンバーで臨んでいる。結果は0−40の大敗だった。

バーン・コッター監督が1日、1次リーグB組第3戦の南アフリカ戦(3日)のメンバーを発表した。07年大会のニュージーランド戦とまではいかないが、同監督の大胆な選考に波紋が広がっている。コッター監督は、足首のけがで離脱した主軸のSOフィン・ラッセルや日本戦で頭部を打撲して戦列を離れた右フランカーのジョン・ハーディについては、手の打ちようがないだろう。しかし、勢いのあるCTBマーク・ベネットを外し、フロントローのロス・フォードとアラスデア・ディキンソンを控えに回すというこのラインアップは、10日に行われる1次リーグ最終戦のサモア戦もにらんでいるのは間違いない。初戦2試合で勝ち点10を得たスコットランドは、あと1勝すれば準々決勝に駒を進めることができる。

さらに同監督は、もともとフランカーだったリッチー・バーノンをCTBに、ダンカン・ウィアをSOに、ゴードン・リードを左プロップ、フレーザー・ブラウンをフッカーに起用。さらには28日夜に負傷で離脱したグラント・ギルクリストの交代要員として急きょ招集したブレア・コーワンを右フランカーとして先発メンバーに加えた。様々な声が上がるのも無理はない。

次週のサモア戦を考慮して南ア戦のメンバーを選んだかと尋ねられたコッター監督は「それは違う。われわれはこの試合のことだけを考えており、サモア戦は考えていない。それは来週の話だ」とはねつけた。「この試合のことだけを考えており、良いパフォーマンスをすることに焦点を当てている」とあくまで目前の試合に焦点を当てていると強調した。「残念ながら私には組み合わせを選ぶ権利はなかった。南ア戦は10日間で3度目の試合で、それも考慮しなければならない。消耗やそこから派生するけがにも気を配っている。われわれに回復が早いと感じさせるような選手だっている。活力があり、ゲームにインパクトを与えようと意欲的な選手を入れ、選手にかかる負担を少し分散させるようにしている。そういう選手たちは全力を発揮してくれるだろうし、チームの競争心も増す。全選手を使わなければならないと言ったが、まさにいまがその状態だ」

「スコットランドBチーム」といった表現に対し、レイドロー主将が異議を唱えた。「選ばれた選手に対して無礼だと思う。W杯には31人全員の努力で戦うつもりで乗り込んだ。チーム全体が必要とされているのだ。まだプレーの機会がない選手たちは、試合に出たくて仕方ない状況だ。彼らに出番が回ってきた。決めつけるよりも、じっくりとパフォーマンスを見るべきだ」

2007年大会では、ハーデン監督の賭けは吉と出た。ニュージーランド戦で休ませた13選手を起用したイタリア戦は18−16で勝ち切って1次リーグを突破。しかし、準々決勝ではアルゼンチンに敗れている。あれから8年経った今も、故障者が出て、チームが再編成せざるを得ないとはいえ、目標はベスト8であることに変わりない。レイドローは「われわれは大会序盤に『準々決勝に進出したい』と話した。2試合でいいプレーができ、目標達成に向け良い位置につけたと思う」と語った。「今週末に大一番が控えている。良いプレーをし、持ち前の力を発揮すれば1次リーグ突破を決め、みんなが歓声を挙げているに違いない」

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