昨年11月、トゥイッケナム競技場で行われたイングランドとオーストラリアのテストマッチの歓待イベントでビールを飲み、ゲスト を歓迎していたマット・ギタウに、その10カ月後、オーストラリア代表としてワールドカップ(W杯)でイングランドと対戦すると告げたら、笑い飛ばされていただろう。

当時のギタウはオーストラリア代表から3年も離れ、欧州で新しいキャリアを築こうとしていた。「キッド・ダイナマイト」として、あがめられていたのは過去の話のようだった。

海外でプレーする選手には代表資格がない、とするオーストラリアの規定により、ギタウにとって歓待イベントへの参加がテストマッチに一番近づいたときだった。

「(歓待イベントで)ビールを飲んでいるとき、自分が(代表として)戻るとは全く思わなかった。資格に関する規定があったから」と、9月29日に33歳の誕生日を迎えたギタウは話した。

「あ の週末(所属する)ツーロンから休暇をもらっていたので、ロンドンで接待の仕事をしていた。国際ラグビーから離れて3年目で、ラグビーの試合をサポーター として観戦したり、サッカーの試合に行くような感覚で行ったりすることが当たり前のことで、楽しいと思っていた」

「ただ、今週末は少し、今までとは異なることを期待している」

ギタウはケーン・ダグラス、ドルー・ミッチェルと同様、オーストラリア・ラグビー協会が代表資格の制限を緩和したことにより、今大会の代表メンバーに選ばれた。

「(代表に戻ってきたのは)とてつもなく大きいことだ。継続的にプレーしていたときよりもありがたく思える。代表としてプレーできるのは当たり前のことだったとは全く思っていないし、復帰をかみしめている」

ギタウは10月3日のイングランド戦でCTBとして先発出場の予定。13年前、初めてのキャップをトゥイッケナム競技場で獲得してから98個目のキャップになる。

「2003年大会の決勝でイングランドに負け、そのことについてひどく落ち込んだ。一方で、次のW杯でまたチャンスがあるから平気だとも思っていた。ただ、そんなに簡単な話ではなかった。それは僕が学んだ教訓の一つだ。1試合1試合を大事にして、決勝のようにプレーしないといけない」

2007年大会はギタウにとっては更なる失望だった。

「(準々決勝でイングランドに敗れ)あのゴールキッカーに戦略上の教訓をわれわれは学んだ。ただ彼の名前を思い出せない」とギタウは笑みを浮かばせながら話した。

もちろん、彼とはジョニー・ウィルキンソン。ウィルキンソンは2003年大会の決勝でもギタウの心を折ったが、その後、欧州王者に3度輝いたツーロンでパートナーを組むことになる。

ウィルキンソンほど、1次リーグ突破を目指すイングランドにとって脅威となるギタウの恐さを知っている者はいない。

ウィルキンソンと連絡を取り合っているかと聞かれると、ギタウは笑った。「今週電話をしたが、全く出ないんだ。何度も何度も掛けているのに!」

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