1次リーグB組の第3戦(10月3日)でスコットランドとぶつかる南アフリカ。過去のビッグゲームでラインアウトの合言葉が解読された経験から、相手チームに“コードブレーカー”がいないかどうか警戒している。

各チームはどれくらいの距離でボールを投げ入れるか示し合わすため、たくさんの数字や単語を組み合わせて暗号を作成。ボールを奪おうと狙う相手フォワード陣は、解読にその知力を試されることになる。

南アフリカは何年もの間、アフリカーンス語(南アフリカの公用語の一つ)の数の呼び方を暗号に使ってきたが、現在のスコットランドにはその言語がわかる選手が3人もいる。ケープタウンで生まれたバックローのジョシュ・ストラウス、プロップの ウィレム・ネル、ジンバブエとの国境近くで生まれ西ケープ州の大学に通ったバックローのデービッド・デントンだ。
南アフリカ自身もこの問題に気付いていると、フランカーのスカルク・バーガー。「ネルやストラウスという名字の選手がいる相手に、アフリカーンス語は使えないだろう!」

身長201㌢のロック、グラント・ギルクリストの負傷による大会離脱で、スコットランドもラインアウト時の問題を抱えている。だが、同じくロックの21歳ジョニー・グレイは、その役目をそつなくこなしている。

ベテランのビクター・マットフィールドの頭脳に支えられ、ラインアウトは長年、南アフリカの強みだった。現代表ではドゥエイン・フェルミューレンとエベン・エツベスも暗号を叫ぶようになっている。

だが、南アフリカには過去のワールドカップ(W杯)や欧州への遠征でラインアウトの暗号が知られた“前科”がある。

2003年大会前に綿密な準備を行ったイングランドは、ロックのベン・ケイが南アフリカ人の視野を鍛えるためのコーチ、シェリル・カルダーからアフリカーンス語で数字の1から9までを教わり、当時の南アフリカのシンプルな暗号解読に成功。ケイは試合の鍵になったいくつかのラインアウトのボールを、暗号解読により奪ったと振り返る。

他のチームはもっと暗号解読に力を入れているようで、01年には全英代表ライオンズがオーストラリアに秘密のラインアウトの練習を撮影されたと“被害”を報告した。

南アフリカのマットフィールドが「ラインアウトに関しては人生最悪の試合」と振り返るのは09年のアイルランド戦。元スプリングボクス(南アフリカ代表)のアシスタントコーチ、ガート・スマルに指導されていたフォワード陣にアフリカーンス語を聞き取られた。05年のニュージーランド遠征では、二の舞を恐れ試合前日に暗号を変更する羽目になった。

フランカーのフランソワ・ロウは今大会に向け、暗号専門家が問題解決に取り組んできたこともほのめかした。

「相手にはアフリカーンス語がわかる選手がいる。でもどうにかする」

解決策の一つとして挙げられているのが、ズールー語やソト語など南アフリカの11公用語のどれかへの使用言語の変更。ヤニーとビスマルクのデュプレッシー兄弟は流ちょうに話すことができるが、フォワード陣に教え込むにはレッスンを急ぐ必要があるかもしれない。

提供:RNS oh/ns/mn/hh