イングランド代表のクリス・ロブショー主将と日本代表のマイケル・リーチ主将は、試合終了間際の似た状況で同じような判断をした。ただ2人の判断への評価は、その後の結果によって大きく分かれてしまった。

1週間ほど前、日本が歴史的勝利を収めた南アフリカ戦の終了間際、同点PGではなく逆転トライを狙ったリーチの判断は、「勇敢」で「度胸がある」と称賛された。26日、ロブショーはウェールズ戦で同じような決断をしたが、「台無しにした」「誤っていた」「納得できない」と非難された。ニュージーランド・ヘラルド紙はリーチの選択について「日本の判断能力は申し分なかった」とした一方、ロブショーについては「反抗的で信じられないこと」とした。

リーチは当時の状況について「相手が動揺していることが分かった。相手は1人少なかったし、PGよりもスクラムを組みたかった。個人的にも引き分けより勝ちを狙いたかった。チームメートをがっかりさせたくなかった」と説明した。

ウェールズ戦で、ロブショーも似たような気持ちを抱いていた。「(PGを狙ったとしても)難しいキックだったし、選択肢を慎重に判断し、勝ちに行きたいと思った。その前の2つのモールはよかったので、またあの位置につければ、勝ちを狙えると考えていた」と話した。

似たような状況で同じような判断をしたが、結果は全く異なってしまった。

後知恵で評価を下すことはできるが、リーチもロブショーも判断を求められた時にはそれはできなかった。評価は結果によって決まるが、2人はあらかじめ結果を知ることはできなかった。

もし2人の結果が違っていれば、ロブショーはあの過酷なプレッシャーの中でよく勇気ある決断をできたと称賛され、リーチは日本の(負けを回避する)機会を台無しにしてしまったと非難されただろう。

果たして今回のリーチの判断が正しく、ロブショーの判断が正しくなかったと言えるのだろうか?

後知恵による評価は、同じ1つのことを前提としている。PGが決まっても、試合は引き分けに終わるということだ。ただ、PGは百パーセント決まるわけではなく、ロブショーが示唆したように簡単なものではなかった。では、PGで3点を得て引き分けにする可能性はどれぐらいあったのだろうか?

距離、角度、天候を考慮したキックの成功率を統計モデルで計算すると、プロのキッカーは60%の確率でオーウェン・ファレルがキックしたであろう場所から、決めることができるという。ファレルは、同試合でDG含め7つ全てのキックを決めていたが、もしPGを選んでいたらキックしたであろう場所ほど難しいところからは成功していなかった。

リーチとロブショーの判断にはチーム状況の違いもある。イングランドにとってウェールズ戦は引き分けでもいい結果だった。イングランドは同組のフィジー相手にボーナスポイント付きの勝利を収めていたし、オーストラリアはフィジーには勝ったが、ボーナスポイントは得ていなかった。ウェールズもまた同じような結果は残せないかもしれないからだ。

一方の日本は負けることにより失うことよりも、得ることの方が大きかった。誰もがいまの位置に日本がいるとは思っていなかった。

脇から非難するのは簡単だし、結果を知ってから非難するのもやさしいことだ。日本チームもイングランドチームもそれぞれ主将が下した判断を支持した。両状況の場合も現実的な判断はPGだった。しかし、監督はピッチ上の選手を信頼していた。

後知恵によって主将の判断を評価してはならない。

提供:RNS sg/bo/jh/kf