部屋に戻るとまた悔しさがこみあげてきた。北の大地で行われたクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦。1点リードの八回に4番手として登板した大谷智久投手はこの回、3点を失い、負け投手になった。宿舎に戻ると部屋の電気をつける気力も残っていなかった。ベッドに横たわると、天井の一点を見つめた。それからどれくらいの時間が流れたかは覚えていない。突然、ノックをする音が聞こえた。ドアの向こう側にはベテランの福浦和也内野手の姿があった。

 「あの日、食事に誘ってもらいました。うれしかったです。部屋で悶々としていましたから。本当に助けられました。あのまま部屋にいたら、気持ち...    
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