賭けにも似たオーダーが苦しいチーム事情を物語った。日本シリーズ進出へ、もう負けられない16日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦。4番に角中が今季初めて座った。スタメンにデスパイネの名前はなかった。  「大量点は望めない。1、2点を取りにいくために、スモールのスモールの野球」と伊東監督は説明した。今季のチーム本塁打85本はリーグ5位。つなぎが売りの打線で、貴重な長距離砲としてキューバ代表のデスパイネを軸に据えてきた。しかし、残した数字は物足りなかった。  レギュラーシーズンは103試合で打率2割5分8厘、18本塁打。シーズンが佳境に入る8月以降は5本塁打にとどまる。日本ハムとのCSファーストステージ第3戦で勝ち越し本塁打を放ったが、ファイナルステージは6打数無安打3三振。豪快なスイングの反面で、安定感を欠いた。  ファイナルステージ。皮肉にもソフトバンクは4番内川が連日活躍したが、千葉ロッテ打線は全体を見ても3試合で計4得点と振るわなかった。今季こだわった1点が、どこまでも遠かった。  「チャンスがあった中で勝たせてくれないのが、ソフトバンクの強さ」と伊東監督。ただ、はっきりとした課題も浮かんだ。好機で各打者が三振に倒れる場面が多かった。「レギュラーシーズンからアウトの内容が悪すぎる。追い込まれたら逆方向に打つとか、その辺の徹底をやっていかないといけない」  今季のチーム打率2割5分7厘、561得点はリーグ4位。71盗塁は同5位。かみ合った時の勢いは相変わらず見事だったが、ソフトバンクに最後は歯が立たなかった。王者との差を「ひと言で層の厚さ」と指揮官は言う。伊東ロッテ4年目へ。個々のレベルアップはもちろん、今季見られなかった下からの突き上げや補強も重要になってくる。