「気持ちよく飛べた。勝てて安心した」。4位に終わったソチ冬季五輪後、初の試合となった1日のルーマニアでのW杯で今季11勝目を挙げ、W杯総合2連覇を決めた高梨沙羅。現地から届いたコメントは、17歳らしい本当に率直な心境に思えた。

 一発勝負の五輪は「初めてプレッシャーの恐ろしさを感じました」と高梨が明かしたように、重圧もありメダルに届かなかった。だが、W杯は14戦11勝で、2位が2度、3位が1度。気象条件に左右されることもある競技で、表彰台を一度も逃していない。昨季世界選手権の覇者サラ・ヘンドリクソン(米国)が負傷で離脱していたとはいえ、高梨の総合力の高さは明白だ。

 全日本の山田いずみコーチ(35)は「五輪が終わって気持ちを切り替えることができたからこその結果。立派です」とたたえた。

 総合優勝のクリスタルトロフィーはW杯最終戦が行われるスロベニアで授与される。スロベニアは高梨の板を製造するメーカーの本拠地で、特注の板は「sara」の名前入り。父・寛也さんは「最終戦がスロベニアと分かった時に『絶対に(総合優勝を)取りたい』と言っていた」。

 世界各地の異なるジャンプ台に合わせる調整能力に優れ、大きなけがもなく勝ち続けた高梨こそ「女王」にふさわしい。(運動部 舩本篤史)<北海道新聞3月2日朝刊掲載>