ソチ冬季五輪に出場した日本選手団の本隊が25日、成田空港着のチャーター機で帰国し、日本選手で初めてフィギュアスケート男子を制した羽生結弦(ゆづる=ANA)ら5人のメダリストらが東京都内で記者会見した。

 飛行機の成田空港到着が遅れ、記者会見も予定から3時間あまり遅れて始まった。選手らはやや疲れた様子ながらも、笑顔で喜びや支援してくれた人たちへの感謝を口にした。

 日本勢として今大会唯一の金メダルを手にした羽生は「日本に最高の結果を持って帰れてうれしいし、オリンピックの注目度の高さをあらためて感じている。だからこそ見ている方々に何かを伝えられたのかと思う」と誇らしげに話した。

 橋本聖子団長は「チームジャパンとして一丸となって頑張れた。自信と誇りを持って帰国できた」と述べた上で、種目ごとに4年後に向けた強化の検討を始めていると説明。「(前回の)バンクーバー五輪の後よりも何をすべきか見据えられている。結果も含めて次への大きな希望を見いだすことができた」と総括した。

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 初の五輪で最高の結果を手にした羽生は王者らしく堂々と、でも余韻に浸ることはない様子。「金メダルは誇らしく思うけど、演技の内容には満足していない。五輪チャンピオンらしい演技ができる、強いスケーターになるよう頑張っていきたい」と力強く話した。

 五輪本番でも試合前は特別な意識はなかったという。「フィギュアでは自分との戦いが大事。集中して演技することを心がけていた」。ショートプログラム(SP)で史上初の100点台を出した一方、フリーの出来には納得しておらず「まだまだ実力が足りないと実感した」と冷静に自己評価した。

 既に気持ちは世界選手権制覇に切り替わっており、帰国早々にも「やりたいことは特にない。早く練習したい」と言い切った。日本オリンピック委員会(JOC)から支給される300万円の報奨金の使い道については「震災(復興)やスケートリンクへの寄付に使いたい」と述べた。

 名実共に日本のフィギュア界を引っ張る立場となるが、連覇がかかる4年後の五輪はまだ考えない。「日々精進して、五輪チャンピオンとしてふさわしい人間になれたら」と引き締まった表情だった。 (井上仁)