【ソチ相内亮】ロシアの威信をかけたソチ冬季五輪が23日夜(日本時間24日未明)閉幕。懸念されたテロは起こらず大会運営も順調で、選手たちのひたむきな姿は感動を呼んだ。一方で、厳戒態勢の中での開催は観客から不評を買ったほか、反体制的な抗議行動が排除されるなど、強権的な「管理五輪」の印象を残した。

 ロシア随一の保養地ソチには閉幕のこの日も陽光が注ぎ、黒海を渡る柔らな風が吹き寄せた。

 だが穏やかな光景とは裏腹に、ソチとこれに連なる北カフカス地方では18世紀以降、攻める帝政ロシアと守るカフカス諸民族の間で、血で血を洗う争いが繰り広げられてきた。旧ソ連崩壊後はロシアからのチェチェン独立紛争の舞台に。1999年からの第2次チェチェン戦争で名をはせ、大統領に上り詰めたのがプーチン氏だ。

 そのソチでの五輪開催は、かつての紛争地の安定や、旧ソ連崩壊後の混乱を克服し民主国家としての「新生ロシア」の姿を内外に示す―とのプーチン氏の思惑があった。

 テロ防止など五輪成功に万全を期した結果が、過剰にも思えた警備だ。軍や警察など7万人を動員し、会場の近くには対空ミサイルや海軍艦艇を配備。銃器を持った兵士が街中に立ち、観客は鉄道駅や入場ゲートで何度も所持品検査を強いられた。「テロの危険がある中、仕方ない」という容認論もあったが、「もううんざり」という声が大半だった。