ソチ冬季五輪のスピードスケート・ショートトラック競技に出場した、ともに浜松市出身の伊藤亜由子選手(27)=トヨタ自動車、浜松工高出=と清水小百合選手(25)=中京大教=。メダル獲得はならなかったが、古里で同じクラブに所属し、同じリンクから世界に羽ばたいた2人の姿は後輩たちを勇気づけ、スケートが身近ではなかった子どもたちにも大きな刺激になっている。

 2選手が巣立ったスピードスケートクラブチームは「浜松スケートクラブ」。現在は園児から中学生までの5人が通う。学年別の全国大会出場資格を持つ掛川市の女子児童(11)は「メダルが取れなくて悔しかったけど、2人とも格好良かった。努力して自分も五輪に出たい」と大舞台に立った先輩に憧れる。

 子どもたちは週2日、浜松スポーツセンター(東区)のリンクでひた向きに滑り続け、フォームなどの指導を受ける。リンクが営業しない夏場は筋力トレーニングのほか、蹴る力を高めるジャンプの練習などを繰り返す。夏目敬也監督(36)は五輪をきっかけに「試合に出ようとの意欲が強くなった」と子どもたちの変化を感じている。

 1月以降、五輪ムードの高まりとともに入会の問い合わせが増え、4人が体験生として参加した。浜松市の男子児童(9)はテレビ中継で見たスピード感に魅せられて参加した。「練習して早く滑れるようになりたい」

 レベル向上には競い合う環境が必要と考える夏目監督は「伊藤選手や清水選手がいたころは同世代の子どもが多かった」と、当時のリンクを振り返りつつ、再び底辺拡大のきっかけになればと期待する。次世代の育成に向け、「生徒の可能性を伸ばしたい」との言葉に力がこもる。