バイアスロン男子のオーレアイナル・ビョルンダーレンが19日、新種目の混合リレーでノルウェーを優勝に導き、通算獲得メダルを13個として、母国の英雄、ノルディックスキー距離のビョルン・ダーリの記録を抜いて冬季五輪の最多記録を達成した。翌20日には国際オリンピック委員会(IOC)選手委員選挙で選ばれ、IOC委員として活動することも決まった。

 

 「ダーリは私にとって最大のスターであり、今でも最高のアスリート」という。その憧れの選手の記録を、男女混成のリレーで抜いた。感想を聞かれると「とっても疲れたよ。リレーは特別。自分のためだけではない。チームのため、ノルウェーのためのレースだからね」

 

 スキー・ジャンプで大活躍した41歳の葛西紀明(土屋ホーム)が「レジェンド(伝説)」と賞賛され、今大会2個のメダルを獲得して注目された。バイアスロンで「雪上のメダルハンター」と呼ばれる40歳の冬の王者には、まさに「レジェンド」の称号がふさわしい。22日には最終種目の男子30キロリレーがあり、ノルウェーが優勝すれば9個目の金メダルとなって、ダーリの金8個をも抜く。

 

 10歳からバイアスロンを始めた。兄ダーグと出場した1998年長野五輪の30キロリレーに兄弟そろって出場して、銀メダルを獲得した。

 

 筆者の印象に残っているのは、五輪開催に備えて半年間を過ごした2002年ソルトレークシティー大会だ。西部開拓の地。放牧地に設営された「ソルジャーホロー会場」に、ビョルンダーレンは連日のように登場した。足慣らしとして、バイアスロンではない距離種目の男子30キロフリーに出場して6位に入り、クロスカントリー専門の選手たちを驚かせた。その後は、バイアスロンで20キロ、10キロ、12・5キロ追い抜きに続き、アンカーを務めた30キロリレーでも優勝し、バイアスロン史上初の4冠を達成した「鉄人」だ。

 

 ちなみに、冬の一大会最多金メダルは80年レークプラシッド大会で5冠を達成したスピードスケート男子のエリク・ハイデン(米国)。夏の五輪では競泳男子のマイケル・フェルプス(米国)が2004年アテネ大会から、08年北京、12年ロンドンの3大会で金18個を含む通算22個ものメダルを獲得した。

(共同通信編集委員 原田寛)

 

☆原田寛(はらだ・ひろし)1956年秋田県生まれ。共同通信ではスキー、テニス、五輪などを取材。冬季五輪は1994年リレハンメルから2010年バンクーバーまで4大会を取材。運動部副部長、大阪運動部長を経て現在、編集委員。