前回バンクーバー五輪で2歳下の妹に先を越されてから4年。ソチ五輪の舞台をつかみ取ったスピードスケート女子の高木菜那選手(21)=日本電産サンキョー―帯広南商業高=が、21日(日本時間同日夜)から行われる団体追い抜きに臨む。仲の良い妹への葛藤や羨望(せんぼう)を持ちながら過ごした4年間。同種目は不振が続くスピードスケート界最後の砦(とりで)としての期待も強く、「絶対にメダルを取る」との強い気持ちで最終調整に打ち込んでいる。

 史上最年少の15歳、中学3年で前回大会に出場した妹の美帆選手(19)=日体大―帯広南商業高=とずっと比べられてきた。「正直、昨季までは妹の話をされるのも、自分から話をするのも嫌だった」。菜那選手の妹への思いは複雑だった。

 体格で勝る妹が中学生になると、レースで負けることが多くなった。「姉としては妹に勝ちたい。でも妹を応援したい気持ちもある。でも応援している時点で負けているんじゃないか」―。葛藤は深まるばかりだった。

 前回大会時、美帆選手がもらった日本代表のウエアなどを見て、「燃やしてやろうかと思った」と冗談交じりに、帯広南商業高の東出俊一監督(57)にこぼしたのは有名な話だ。

 今でもその葛藤が吹っ切れたわけではない。ただ、所属先は常勝を義務づけられた国内有数の実業団。社会人3年目の今季は「美帆は速いけど、自分のやるべきことをやるのが先」と甘えを排し、妹をライバルと位置づけて練習に没頭してきた。(ソチで平田康人)