スノーボード女子パラレル大回転で竹内智香(広島ガス)が惜しくも優勝を逃した。決勝の1回目は相手に0秒30勝ったものの、2回目の終盤に転倒。パトリツィア・クンマー(スイス)に女王の座を譲った。銀メダル。日本勢としては今大会7個目、女子にとっては初めてのメダルだった。日本のスノーボード女子でも初の快挙となった。

この種目は並行して旗門が立てられた2コースを各選手が1度ずつ滑り、予選の合計タイムで上位16人が決勝トーナメントに進む。その後は1対1でコースを入れ替えて2回滑る対戦形式で進行し、予選から決勝までの10レースを全て勝ち抜いた選手が栄光にたどりつく、文字通りのサバイバルレースである。

会場のロザフータル公園は前日の雨とはうって変わって朝から快晴の好コンディションに恵まれた。竹内は素晴らしい出来だった。予選を最高タイムで通過。決勝トーナメントも安定した滑りで危なげなく勝ち進んだ。「少しでも速く滑りたい」の一途な思いから、単身スイスに乗り込んでナショナルチームとともに武者修行した日々。帰国してからは国立スポーツ科学センターで徹底的な体力強化に励んだ。全ては4度目の五輪出場で明確な答えを出したいとの強い欲求が支えになってのことである。

ゴールまで残すは5、6旗門。隣りを滑るクンマーの姿が視界に入り、焦ったのかもしれない。その途端にバランスを崩し転倒してしまった。今季のワールドカップ(W杯)パラレル大回転で竹内は3度決勝に勝ち進んだがいずれも2位どまり。そのうち2度はクンマーに敗れたものだった。苦手意識が頭をもたげたとしても不思議ではない。

北海道出身。「スノーボードがうまくなりたい」と高校生のころから下宿生活を始めたという。自立心旺盛で、積極的に道を切り開いていく彼女の生きざまは意外なところにもうかがえる。6年前から女子用ボードの開発にかかわっている。板の素材を選び、長さや厚さなどを決めている。競技者の立場から納得のいく商品を世の中に送り出したい。そんな気概が込められているに違いない。「メダルはすごくうれしい。でも悔しさも半分。スノーボードの世界にも少しは貢献できたかなと思う」と率直な感想を口にした。そして「一人の人として評価していただけるよう頑張っていきたい」。あくまでも前向きな30歳である。

(47NEWS 岡本彰)

☆岡本彰 1947年生まれ、北海道出身。共同通信の運動部で記者、デスク、部長などの立場から1972年札幌五輪以来多くの大会報道に携わった。記者としてはスキーなどを担当し、現在は47NEWS。