個人ラージヒルで渡部暁斗(あきと=北野建設)は6位にとどまり、2位だったノーマルヒルに続くメダル獲得は逃した。前半飛躍(HS140メートル、K点125メートル)で4位につけ、トップと33秒差でスタートした後半距離(10キロ)は先頭集団でレースを進めたが、7・5キロすぎの転倒が響いた。

 昨年の世界選手権5位の永井秀昭(岐阜日野自動車)は26位、渡部善斗(早大)は35位だった。加藤大平(サッポロノルディックク)は飛躍の着地後に転んで左肘を痛め、距離を棄権した。

 優勝はヨルゲン・グローバク、2位にマグヌス・モアンのノルウェー勢が入り、ノーマルヒル覇者のエリック・フレンツェル(ドイツ)は10位だった。

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 前半飛躍が終わった時点で、渡部暁には嫌な予感があった。「結構、厳しい」。自身は134メートルも飛びながら4位。周囲も好記録を出し、距離に強いノルウェー勢が9秒後のスタートで追いかけてくる。後続に20秒以上の差で出走し、銀メダルを獲得した個人ノーマルヒルのような大量リードは奪えなかった。

 予想通り後半距離はもどかしい展開。2周目に10人の集団での戦いになり、ずるずる順位を下げた。抜け出そうとするとペースを上げられ、前に出られない。8位で迎えた最終4周目の下りカーブで凍った雪面に足を滑らせて転倒。大きく離され、「もう無理。僕のレースが終わった」。6位まで上げるのが精いっぱいだった。

 ただ、走り自体に不満はない。汗ばむほどの陽気だった個人ノーマルヒルのときと比べ、冷え込んだ気候も気にならなかった。「スキーも滑っていて、少し離されてもすぐに追いついた。これが今の実力だと思う」

 この日は主将の加藤が飛躍で転倒して負傷し、20日の団体戦を欠場することになった。試合後にその話を報道陣から聞いた渡部暁は絶句した後、「大事に至らないことを祈りたい。僕らが頑張らなければ」。個人戦の負けを引きずることなく、次戦に気持ちを切り替えた。 (対比地貴浩)