【ソチ中村征太郎】ジャンプ男子ラージヒルで葛西紀明選手(41)が15日夜(日本時間16日未明)、銀メダルを獲得した瞬間、出身地の上川管内下川町から現地に駆けつけた応援団9人は両手を挙げてガッツポーズ。感極まった表情で、歓喜する葛西選手の姿をじっと見つめ続けた。

 「かさーい」。応援団は、スキー板を頭上に掲げて喜ぶ葛西選手に何度も呼び掛けた。その様子を目に焼き付けながら、スタンドの最上段で応援旗を振った蓑谷春之さん(68)=下川町教育長=は「紀明の苦労が一つ一つ実になって報われた。信じられなくてうれしくて」と涙を拭いた。

 息子の秀之さんは葛西選手の1学年下。地元のジャンプ少年団で一緒に練習した仲だが、肺塞栓(そくせん)症を患い高2で命を落とした。「葛西の勇姿を天国で見ていたと思う。平昌五輪で金を目指してほしい」と声を振り絞った。

 伊東大貴選手(28)の母郁子さん(54)は、1本目の終了時点で「葛西君に金メダルを取らせたい」と祈るように何度も口にした。競技後「わが子のことのようにうれしい。大貴も9位で、過去の五輪に比べて一番良い順位」と笑顔を見せた。