ソチ冬季五輪フィギュアスケート男子で金メダルに輝いた羽生結弦選手(19)は、2010年と12年にサンドーム福井で開かれたアイスショーに出演した。当時を知る関係者からは15日、「あどけなさが消え、王者のオーラをまとっていた」と成長ぶりを絶賛する声が上がった。一方、国体や五輪を目指す県内のジュニア選手らにも夢と希望を与えた。

 12年9月のファンタジー・オン・アイス福井公演(福井新聞社など主催)当時、羽生選手は17歳の高校生。宿泊先だった福井市内のホテルで、フロント係として対応した竹前泰仁さん(41)は「1階のロビー周りに詰めかけた大勢のファンに、にこやかに対応していたのが印象的」と振り返る。夜勤だった15日未明は休憩時間にテレビ前で応援し、「金メダルを取ってほしかった。自分のことのようにうれしい」と喜んだ。

 公演前年の東日本大震災で被災し、地元仙台市のリンクを失った羽生選手は、練習場所を求めて全国を転々とした。福井公演のスタッフだった福井テレビ開発の宮澤敏明さん(48)は「当時はまだ背が低くてさわやかな少年という感じだったが、苦労していたと思う。演技前のステージ裏ではお母さんと仲良く会話し、あどけない笑顔を見せていた」。家族の支えがあってつかんだ栄冠だろうと推測した。

 当時、客席から声援を送った福井市の主婦四方邦子さん(63)は「線は細いのに回転のスピードがすごかった」と振り返る。今回はテレビの前で懸命にエールを送り「今は力強さが加わり、熱い思いがひしひしと伝わってきた。本当にすごい感動をありがとう」と10代の王者をたたえた。