ソチ冬季五輪スキージャンプ代表の葛西紀明選手が15日(日本時間16日未明)、ラージヒルに登場し、悲願の金メダルに挑む。葛西選手と交流を続ける札幌市中央区のクリーニング店店主、佐藤昌仁さん(46)はその人柄にほれ込み、応援を続けてきた。店内には葛西選手本人から贈られたスキー板やジャンパーが飾られ、写真や応援メッセージなどが壁一面を埋める。「けがをしないように頑張ってほしい」。祈る思いで声援を送る。

 「飛べ!葛西紀明選手!!」「金メダルは目の前だ!!」。クリーニング店「クリーンイズム・ウォッシュ」(北4西11)の店内に入ると、所狭しと貼られた応援メッセージが目に飛び込む。長さ2メートルを超すスキー板や「がんばれ日本」と腕に刺しゅうされたジャンパーなど葛西選手から贈られた品も展示する。

 現在の店舗は、集配専門のクリーニング業を営んでいた佐藤さんが2009年10月5日にオープン。その翌日、偶然に葛西選手が来店し、共通の知人もいたことから、交流が始まった。

 ジャンプに興味がなかった佐藤さんだが、翌年、葛西選手が出場した札幌の大会に足を運んだ。印象に残ったのが、ファンに対する葛西選手の接し方だった。大会終了後も1人残り、気軽にサインに応じてファンと楽しそうに話していた。佐藤さんは「『第一線のアスリートがここまでするのか』と驚いた」と話す。

 そんな姿勢に感激した佐藤さんは「自分にできるのは、多くの人がファンになるきっかけづくり」と思い立ち、店内に葛西選手がジャンプする時の写真や応援ボードを飾るようになった。利用客ともスキージャンプが共通の話題になり、来店する葛西選手が「ただいま」と声を掛けてくれるようになった。

 ソチ五輪直前の1月22日、葛西選手が来店した。母校の東海大四高の壮行会の帰りだった。ブルーのシャツとグレーのジャケット姿で訪れ、その場でシャツを脱いでクリーニングに出した。佐藤さんはけがに注意するよう話しかけると、葛西選手は「それでも金メダルを狙いたい」と応じたという。

 佐藤さんは「大事な日の帰りに寄ってくれたことが何よりうれしかった。本番では力を発揮してほしい」。16日未明ももちろんテレビ観戦しエールを送るつもりだ。(田島工幸)