「恥ずかしがり屋で控えめ」な末っ子が、日本のエースとして世界に挑んだ。14日未明、ソチ冬季五輪スピードスケート女子1000メートルに臨んだ小平奈緒選手(27)。実家のある茅野市豊平の南大塩公民館では5歳と4歳上の姉2人がレースを見守った。小さいころから五輪を目指してきた妹の強い思いを知る姉たち。期待していたガッツポーズを見ることはできなかったが、2人は「自慢の妹です」と誇らしげに語った。

 13日深夜、公民館のパブリック・ビューイング会場に詰め掛けた約100人の応援団に交じり、長女の和田知佳さん(32)=神奈川県鎌倉市=と次女の橋詰真衣さん(30)=愛知県豊川市=の姿があった。

 「スケート靴を脱ぐと普通の女の子」。知佳さんは末っ子の素顔をこう話す。小平選手が3歳でスケートを始めた時も、豊平小学校のスケートクラブでも、3姉妹は一緒。真衣さんは「私は寒くて嫌々だったのに、奈緒ちゃんは楽しくてしょうがないという感じでした」と笑う。

 真衣さんは、小平選手が小学生のころに書いた「自分年表」を今も覚えている。「冬季五輪のある4年ごとに『五輪出場』と書き続けていた。自分の中に明確な目標があって、それをかなえるためにはどうしたらいいか、ずっと考えてきたんだと思う」

 小学校を卒業してスケートをやめた後も、知佳さんと真衣さんは妹が出場する大会や合宿の会場に足を運び、応援してきた。今は2人とも結婚して県外に住むが、実家で妹と顔を合わせると、自然に「仲良し3姉妹」の顔に戻る。

 五輪のメダルには今大会も手が届かなかった。だが、真衣さんは「あの大舞台に堂々と立っている妹を見て、すごく誇りに思った」。知佳さんは目を真っ赤にしながら「かっこよかった。たくましくなったと思う」と言葉を絞りだした。