「失敗した前回五輪の借りを返す」。そう繰り返し口にしてきた湖国のスノーボーダーが、大舞台でついに結果を出した。ソチ冬季五輪第6日の12日、スノーボード・女子ハーフパイプで、岡田良菜(らな)(23)=バートン、滋賀短大付高出=が日本女子史上最高となる5位入賞を飾った。挫折やけがを乗り越えた末の快挙に、成長を見守ってきた滋賀の関係者が喜びに沸いた。

 前回のバンクーバー大会は2度転倒して予選落ち。「何もできなかった」悔しさから4年後を目指したが、ソチは遠かった。2011年夏に右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けが。気持ちが落ち込み、草津市の立命館大で行っていたトレーニングを1カ月ほど休んだ。

 12年夏に競技復帰を果たしたが、再び負傷する怖さなどから持ち味の高さはなかなか出なかった。恐怖心を克服し、13年3月の全日本選手権で優勝。全日本スキー連盟の強化選手に復帰したが、五輪代表争いでも、選考対象大会で予選落ちするなど苦戦を経て、代表の座をつかんだ。

 小学2年でスノーボードを始めた岡田。幼い頃から積み重ねた豊富な練習が、強さの背景にある。09年から基礎トレーニングを指導する立命館大の湯浅康弘ヘッドストレングスコーチ(41)は「身体操作性が高く、体操選手のよう。神経が発達する10歳前後に練習を繰り返したためだろう」。体力トレーニングを積極的に取り入れている点も特徴で、同コーチは「スノーボードの選手では珍しいと聞く。股関節やおしり周りの筋肉を特に鍛えることが、持ち味の高さにつながっている」と分析する。

 この日の本番では、そうした強みや、挫折を乗り越えた経験が生きた。高さでアピールし、予選で出たミスは準決勝で確実に修正。決勝では1度目に失敗したが、後がない2度目に最高の演技を見せ、85・50点をマークしてみせた。

 滋賀では、滋賀短大付属高時代の恩師や同級生らが母校に集まり、世界と互角に戦う「湖国の星」に声援を送った。在学時の岡田をよく知る木村順子教諭(51)は「演技がだんだん良くなった。最後に最高点を取れたのは、4年間切磋琢磨してきた気持ちの強さが出たのだろう。良かったねと言ってあげたい」と、教え子の活躍をたたえた。