【ソチで運動部・遠藤享】夢の五輪出場、そして初勝利にもリード苫米地美智子(二戸市出身、福岡高)の笑顔はぎこちなかった。日本は11日のデンマーク戦で序盤から得点を重ねて8-3で快勝した。苫米地はプレーの精度を上げてきたものの、どこかまだチームに遠慮がある様子。「まずは勝ててうれしい」と控えめに喜んだ。

 正確なショットで攻撃を組み立て、仲間が投げる時には即座に反応し声を張る。昨年12月の世界最終予選で見せた本来の持ち味が出せていない。

 苫米地には「引け目」がある。結果的にリードの定位置に入ったが、今大会は控えに回る予定で他選手よりも会場でプレーする機会が少なかった。氷の状態を見てストーンの速度を判断する「ウエートジャッジ」ではセカンド吉田が張り切ってはいるものの、経験豊富なサード船山、スキップ小笠原の判断に頼っているのが実際のところだ。

 小笠原も苫米地の動揺は感じている。「自分が結果を出すまでは思い切りいけないもの。堂々とプレーできるようわたしが引き出してあげなければ」と意気込む。

 ただ、自信は自分で取り戻すもの。苫米地もそれは分かっている。「1回のショット、ウエートジャッジでもいい。しっかり決めたい」。大舞台を心から楽しめるその時を、自らの手で引き寄せる。