【ソチ=本社五輪取材団】ソチ五輪第五日の十一日、スノーボードの男子ハーフパイプ(HP)で、十五歳二カ月の平野歩夢(あゆむ)(バートン)が銀メダル、十八歳の平岡卓(フッド)が銅メダルを獲得。十代の二人が日本勢に今大会初のメダルをもたらした。新種目のノルディックスキー・ジャンプ女子で十七歳の高梨沙羅(クラレ)は四位に終わり、メダルを逃した。 

 ソチ五輪スノーボードの男子ハーフパイプ(HP)で、最後に登場した優勝候補ホワイト選手の得点が伸びず、日本の二人のメダルが確定した。銀は中学三年の平野歩夢、銅は高校三年の平岡卓。二人はスポンサーが同じで、海外遠征や合宿を共にする間柄。二回の試技で得点の高い方を採用する決勝の一回目は平野が安定した演技でトップに立ち、平岡はミスが出て九位と出遅れた。

 迎えた二回目。追い詰められた平岡だが「全然緊張してなくて。メダルより自分のできることをやろうと思った」。大会前の評価は三つ年下の平野の方が高かった。追う展開に「抜けると思った。面白くなった」と闘志を燃やした。

 二回目の最後には、軸をずらしながら3回転する高難度の大技「ダブルコーク」を二連発。ゴーグルの下の口元が緩む出来栄えで、その時点でトップのスイス選手に次ぐ二位になった。

 続いて平野。「卓君に巻き返されて『やらなきゃな』って思った」。ジャンプの高さ、滑りの正確さをいかんなく発揮し、こちらもダブルコークで締めくくる。

 一回目よりも精度の上がった内容に、クールな平野も右手を上げてガッツポーズ。「全てを出し切れた」。トップには届かなかったが、平岡の得点を再び超え「やっぱ歩夢はうまいなあ。仕方ないです」と先輩を脱帽させた。

 「日本初メダル、最年少と歴史になりそうなものをつくれて良かった」と平野が喜べば「最高です。めっちゃうれしい」と平岡も声を弾ませた。日本スノーボード界にとっても念願の五輪初メダル。バンクーバー五輪では代表選手の服装問題で批判を浴び、イメージ挽回を期したこの四年。さわやかな笑顔の二人が、スポットライトを浴びた。 (ソチ・市川泰之)

◆五輪「やはりどこか違った」 ジャンプ 17歳高梨4位

 【ソチ=杉藤貴浩】十一日のスキー・ジャンプ女子で四位に終わった高梨沙羅。ソチ五輪金メダル最有力とされた前評判が重圧になったのか、いまひとつ伸びを欠いたジャンプで、十七歳の挑戦は終わった。

 試合後、他の日本人選手と抱き合い、涙をあふれさせた。「今まで支えてくれた皆さんに感謝の気持ちを伝えるためにこの場所に来た。結果を出せなくて残念です」。報道陣の前に現れた高梨は、ファンや関係者への思いを口にした。

 最近は圧倒的な実力で優勝を重ねていただけに、五輪初採用種目での初代女王が期待されていた。五輪の舞台について「やることは一緒なので、変わらず挑んでいたつもりですが、やはりどこか違うところがあると感じた」と微妙な違和感もあり「体に切れがなかった」とも振り返った。

 ただ、四年後もまだ二十一歳。最後は「五輪に戻ってこられるよう、もっとレベルアップしたい」と前を向いた。