新種目のジャンプ女子で、今季ワールドカップ(W杯)13戦10勝で17歳の高梨沙羅(クラレ)は100メートル、98・5メートルの合計243・0点で4位入賞にとどまった。W杯未勝利で22歳のカリーナ・フォクト(ドイツ)が103メートル、97・5メートルの247・4点で冬季五輪初代女王に輝いた。

 19歳の伊藤有希(土屋ホーム)は97・5メートル、101メートルの241・8点で7位に入賞。17歳の山田優梨菜(長野・白馬高)は78メートル、64・5メートルの115・7点で最下位の30位だった。

 2回目に最長不倒の104・5メートルを飛んだダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が246・2点で2位、コリーヌ・マテル(フランス)が245・2点で3位となった。

 昨季の世界選手権覇者で、昨年8月の右膝の大けがから今大会で復帰したサラ・ヘンドリクソン(米国)は21位に終わった。

 初めて挑んだ五輪の重圧が、抜群の安定感を誇った17歳に容赦なく襲いかかった。金メダルを期待された高梨が、まさかの4位に沈んだ。「思い通りに飛べなかった。精神的な弱さだと思う」。雰囲気にのまれ、平常心を保てなかった。

 1回目は「前に突っ込みすぎた」と、踏み切りで十分に脚の力を伝えられずに飛躍。浮力が得にくい強い追い風も災いし、HSより6メートルも手前の100メートルで着地した。両手を水平に開き、脚を前後に開くテレマークも決められなかった。

 「改善しなければ」と迎えた2回目も98・5メートルと平凡な記録。心が乱れて歯車が狂ったことで踏み切りの悪い癖や、今季最大のテーマだった「テレマークをしっかり入れる」など改善されつつあった課題が悪化した。

 「勝ちたい、勝ちたいと言っていた。普段は口にしないのに」と山田いずみコーチはソチ入り後、高梨の異変に気付いていた。今大会はこの種目が初めて実施される五輪。ここまで道を切り開いたジャンプ女子の先人たちに恩返ししようと気負いすぎ、失速してしまった。

 今季はW杯で13戦10勝。昨季から19戦続けて3位以内だったが、表彰台に届かない。五輪の怖さを嫌というほど思い知らされた。高梨は「悔しい思いをばねにする。次こそ先輩たちに感謝の気持ちを伝えたい」。2月11日。苦い敗戦を味わった日は、4年後の平昌(ピョンチャン)大会へスタートを切った日にもなった。 (対比地貴浩)