メダル圏内までわずか0・13秒差―。11日夜から12日未明にかけてのスピードスケート女子500メートルに出場した小平奈緒選手(27)を、所属する相沢病院(松本市)の関係者や出身地の茅野市の市民らがパブリックビューイング(PV)で応援した。小平選手は前回バンクーバー大会に続く五輪。この日の5位の結果に集まった人たちは健闘をたたえ、「次の1000メートルこそは」と期待する声が相次いだ。

 相沢病院は病院に隣接する松本市本庄2のヤマサ大ホールでPVを企画した。病院職員や地元住民ら約120人が詰めかけ、大型スクリーンでの生中継映像を見ながら、熱いエールを送った。

 法被を羽織り、手には応援用の棒状の風船「スティックバルーン」。12日未明、小平選手が2回目のレースに登場すると会場は熱気に包まれ、「小平ー!」「追えー!」などの声が飛び交った。メダルが取れないと分かるとため息が漏れたが、健闘をたたえる拍手が起こった。

 バンクーバー五輪でもPVで小平選手を応援したという病院職員の横山隆明さん(58)=松本市=は5位の結果を受けて「応援している自分もドキドキした。よく頑張ったと思う」。相沢病院にリハビリなどで通院してきた松本市の滝沢偕子(ともこ)さん(83)は小平選手の大ファンで、長野市での大会には足を運んで応援してきた。ソチへも行きたかったが、体調が芳しくなく諦めた。「素晴らしい滑りだった。奈緒さんから元気をもらった」と話していた。

 現地で応援した相沢孝夫理事長・院長はレース後、電話の取材に「滑走後に応援団に手を挙げてにこっと笑ってくれた。メダルには届かなかったが、力を出し切れたのだと思う」と話した。

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 「先輩頑張れ」―。小平選手の母校、茅野市湖東の北部中学校では生徒会主催のPVがあり、生徒や住民、教職員など計約110人が大型スクリーンで観戦した。惜しくもメダルには届かなかったが、懸命な滑りに拍手が起こり、次に出場予定の1000メートルに期待する声も出ていた。

 生徒会長で2年の保科竜真君(13)はレース後、「今回のレースでリンクの感覚がつかめたと思うので、1000メートルではメダルをとってほしい」と話していた。

 レース前には生徒会役員が呼び掛け、集まった全員で応援練習。スタートからどんどん加速する小平選手に向かって、集まった人たちは棒状の風船をたたき、「がんばれ」「いけいけ」と応援した。

 小平選手の実家がある茅野市豊平の南大塩区では、公民館に親戚や住民約150人が集まった。大型スクリーンを設けた大広間には、小平選手の友人や後輩らが寄せた応援旗がずらり。住民らは「力の限りお願いだあ」と応援の木遣(や)りを歌って出走を待った。

 神奈川県鎌倉市から応援に駆け付けた小平選手の姉、和田知佳さん(32)は「ガッツポーズは見られなかったけれど、笑顔が見られて良かった。本人が納得できる滑りが出来たら、それだけで十分。次も思い切りやってほしい」。

 祖母の小平ミエさん(87)=茅野市豊平=は「思い通りの滑りができたと思う。精いっぱいやってくれた」と話した。