【ソチ 本社=野瀬和紀】銀メダルに輝いたスノーボード男子ハーフパイプ(HP)の15歳、平野歩夢選手(村上一中・バートン)を、現地で応援した父・英功(ひでのり)さん(42)と母・富美子さん(40)は、万感の思いで見詰めた。英功さんは「メダルは夢だったのでうれしい。なかなか言葉が出ない」と目を潤ませた。

 両親は「飛べ 夢のメダルに向かって」と書いた横断幕を持って見守った。予選後、居ても立ってもいられず、観客席を下りて平野選手の元へ。英功さんは握手をし「みんな応援してるよ」と伝えると、平野選手はうれしそうに笑った。富美子さんは知人から預かったお守りを、そっと手渡した。

 決勝では出番が近づくにつれ、祈るような表情に。平野選手が登場すると世界中から集まった観客に負けじと、声を張り上げて応援した。

 練習量の多さは自他ともに認める。パイプの縁から飛び出し、縁に下りるといった基礎の基礎を繰り返し、技の高さを生んだ。英功さんは言う。「小さい頃から誰よりも練習する子だった。それが才能と言うのであれば、才能だと思う」

 努力が形に表れ始めたのは約3年前。海外に出てからだ。英功さんは「日本にはない大きなパイプで飛ぶ中で、高さなどが評価された」と語る。

 試合後、快挙を成し遂げた息子を英功さんは遠巻きに見詰めた。声も掛けず「見守ることしかできなかった。何だか、今までと違うような気がして」。落ち着いたら「みんなに応援してもらって幸せだな」と声を掛けるつもりだ。富美子さんは「大変なこともあったが、それが吹き飛ぶくらいうれしい気持ちでいっぱい」と感無量の様子。「よく頑張った」と語り、スポットライトを浴びる息子に目をやった。