新型ジャンプ台に苦戦した。男子ノーマルヒルの日本勢は、41歳の葛西の8位入賞を最高に、残り3人が2桁順位といまひとつだった。原因の一つに、新しい規格で設計された台を攻略しきれなかった点が挙げられる。

 「助走路がなだらかなので、しっくりきていない」。9日の決勝。試合を終え、報道陣に対応した葛西はそう振り返りながら渋い表情を見せた。

 ソチは、2008年のルール改正以降に造られた台。最大の特徴が助走路の形状だ。以前の規格はスタート後の急斜面を通過後にアールと呼ばれる曲線部で強い遠心力を感じる。これが踏み切りへの間の目安になる。一方、新規格は傾斜が緩やかで選手によっては遠心力を感じず、踏み切りの感覚が狂いやすい。

 ベテラン葛西もまだ慣れていない。公式練習では腰の位置を下げた助走姿勢を試したがうまく合わず、9日の本番で急きょ従来の方法に戻した。「もう少し飛べば慣れると思う」と試行錯誤している。日本勢最下位の24位だった竹内も「くせのある台。対応できていない」と指摘した。

 女子でも苦手な選手が多く、金メダルが期待される17歳の高梨沙羅(クラレ)もその一人。万全を期すため昨年10月、ソチで行われた大会に個人参加してまで調整したが、「まだ助走姿勢での重心の位置をつかんでいない」とてこずっている。

 経験や実力、男女の違いを問わず慣れている選手が少なく、飛ぶのが難しい。裏を返せば、攻略法さえ見つければ勝利の可能性が広がる台でもある。14日(日本時間15日)から始まる男子の次戦、ラージヒルも助走路の形は同じ。目標のメダルに向け、対応力が問われる。(対比地貴浩)