カーリング女子日本代表が11日、予選リーグ初戦の対韓国戦に登場する。チームを引っ張るのは、結婚、出産を経て現役復帰した小笠原歩選手(35)と船山弓枝選手(35)=いずれも北見市常呂町出身=。働きながら選手生活を送り、スポンサー契約を結んでの五輪出場と国内女子カーリング界では初めてのことばかり。2人がかつて所属した常呂町のチーム「シムソンズ」の元選手たちも、現役続行という果たせなかった夢を2人に託し、声援を送る。

 「子供と離れて1カ月以上も遠征生活を送るうえ、きついトレーニングもある。私には考えられないことですね」。常呂町出身で中学3年から6年間、シムソンズに所属し、2002年ソルトレーク冬季五輪に出場した松沢美香さん(36)は、出産後の現役復帰という2人の選択に驚きを隠せなかった。

 ソルトレーク五輪を最後に引退し、現在は2児の母親。1カ月以上家を空ける海外遠征は現実的ではなく、諦めざるを得なかった。06年トリノ五輪は、競技への未練から、テレビ観戦できなかった。現在は札幌カーリング協会の契約職員として初心者向けに指導している。「彼女たちが第一線で活躍してくれるとカーリングの普及のやりがいもある。2人ならやってくれるはず」とエールを送る。

 01年から1年間シムソンズでプレーし、ソルトレーク、バンクーバー五輪に出場した石崎琴美さん(35)は昨春から競技を離れ、札幌市内の整形外科病院で事務員として働く。「少し疲れて休みたいと思った」。だが、最近は小笠原選手らの活躍に刺激を受け、復帰への思いを強くする。

 ソルトレーク五輪の日本代表決定戦ではシムソンズに敗れたライバルチームに所属したが、チーム強化のため急きょシムソンズに加入。チームに溶け込む際、ほかの選手との橋渡し役になってくれたのが小笠原選手だった。

 石崎さんにとって、2人は「尊敬の対象」だ。スポンサーを見つけ働きながら競技を続けるという道を開いたこともあるが、結婚、出産の4年半の空白を乗り越えての五輪出場は何より衝撃だった。「これだけブランクがあっても、この年になってメダルを目指す。わたしも、まだ行けるかもしれないと思わせてくれたんです」。カーリング界のパイオニアの活躍に熱い視線を送っている。(報道センター 中村征太郎)