「女子ジャンプのスター」「一生懸命な頑張り屋」―。ソチ冬季五輪で初採用されるジャンプ女子で、初代女王の期待がかかる高梨沙羅選手(クラレ)への周囲の評価は共通する。海外メディアや、地元上川管内上川町の関係者らの言葉から日本のエースの人気と素顔を探った。

 ソチ入り後の4日の会見で、高梨選手に質問したAFP通信(フランス)のシムシム・ウィスゴット記者(33)は「フランスでも有名ですね」。右膝の故障で五輪が復帰戦となるサラ・ヘンドリクソン選手(米国)との対決にも注目し「とても楽しみ。でもサラはカムバックしたばかり。沙羅が金メダルを取ると思うわ」と予想する。

 フランスのスポーツライター、アレクサンダー・フェドレッツさん(55)は「フライトフォームがすごく良い。とても気に入っている」と評価する。

 昨季ワールドカップ・ソチ大会の会見で通訳を担当したロシア在住のエフゲニア・クルツェクさん(23)は「若いけど金メダルの有力候補として聞いている。小さくて、かわいらしいから人気があるの」とほほ笑む。

 世界のトップを争うまでに成長できたのは、常に一生懸命だったから。それはジャンプ以外でも変わらない。

 高梨選手は母・千景さん(46)が大学時代に創作バレエ活動をしていた縁で、4歳からバレエ教室に通った。上川町や旭川などで「板谷敏枝バレエ研究所」を主宰し、指導した板谷さん(46)は「1時間半のレッスンが終わっても、居残り練習していた」と振り返る。

 小学2年でジャンプを始め、勉強に加え、バレエと両立するようになった。「例えば三つ課題を与えると、一つしかできない子もいるが、彼女は全て消化した。両立は大変だったと思うけど、集中力があったし、何に対しても真面目」と感心する。

 上川中2年の5月、体育祭の練習。高梨は冷却シートをおでこに張るほど発熱があったが、800メートルを走りきった。担任だった高垣仁隆体育教諭(43)は「普通なら見学する状態。とにかく何に対しても力を抜かない子」と目を細める。

 海外遠征帰りで時差ぼけがあっても、休み時間に勉強。決して弱音を吐かなかったという。高垣教諭は「メダルの色とかは関係ない。あの子はジャンプが大好き。大好きな気持ちのまま、本番も飛んでほしい」と願う。高梨選手の競技は日本時間で12日午前2時半から行われる予定。(運動部 舩本篤史、報道センター 中村征太郎)