八日(日本時間)に開幕したソチ冬季五輪。太田市から、スピードスケート・ショートトラックに市出身の坂爪亮介選手(23)、ボブスレー男子四人乗りに市内在住の佐藤真太郎選手(33)が初出場する。市ゆかりの選手が冬季五輪の舞台に立つのも初めてで、市役所には応援の懸垂幕が登場=写真。選手を支えてきた家族の応援にも力がこもる。 (美細津仁志)

 坂爪選手は昨年九月に右足を骨折し、十二月の最終選考会では足にボルトを入れたまま出場した。完全な滑りではなかったが、これまでの実績が評価され、五輪の出場切符を手にした。リンクに駆けつけた会社員の父康弘さん(58)は「けがが心配で、決まった時は深いため息が出た」と振り返る。

 坂爪選手は十歳でスケートを始め、リンクのある前橋市に週三回通った。ショートトラックを始めたのは太田工業高校時代。「スリリングなところや駆け引きが楽しかったようです」。進学先の日体大で世界大会の遠征メンバーに選ばれ、世界レベルを肌で感じてきたという。

 十日の試合前に現地入りする康弘さんは「(息子は)この五輪を目指してきた。納得できる滑りをしてほしい」と期待を寄せた。

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 陸上短距離が専門だった佐藤選手。妻夏子さん(33)は結婚前、円盤投げで国体入賞経験がある。同じ競技者として「トップを目指して頑張ってほしい」。

 昨年、陸上からボブスレーへの転身を打ち明けられた。「力試しにやってみれば」と背中を押したが、ボブスレーは「氷上のF1」とも呼ばれ、最高時速は百五十キロにも上る危険が伴うスポーツ。ちょうど二人目の子どもを身ごもったころで、国内合宿や海外遠征に飛び回る夫に「万が一のことがあれば」と心配は尽きなかった。

 「普段は真っすぐで子煩悩な人」と素顔を語る。二人の子どもを巧みにあやし、休日には近所の子どもたちを引き連れ、一緒に公園で遊んでいる。

 夏子さんは試合当日の二十三日、桐生市の実家で過ごす予定だ。「自分を追い込むタイプなので、無理して風邪をひかないか心配。どうかけがをせず帰ってきてほしい」と話した。