十九歳の若い力がフィギュア日本チームに、日本選手団全体に勢いをもたらした。六日(日本時間七日)のフィギュアスケート団体男子SPで首位に立った羽生結弦。ふだんクールな羽生は会心の演技を終えると、「日本のために全力を出せてよかった」とガッツポーズでよろこびを表した。 (ソチ・杉藤貴浩)

 ソチ五輪公園にあるフィギュア会場「アイスベルク・パレス」。満員の観客が見守る中、羽生は最終滑走で登場した。

 地元ロシアの大声援を受けるエフゲニー・プルシェンコ、世界王者パトリック・チャン(カナダ)らが高得点をたたき出す中で迎えた初の五輪舞台。大きな重圧が心配されたが、四回転ジャンプなど大技をポーカーフェースで次々と決め、最後はスタンドを総立ちにさせた。

 演技後は、「ぼくだけのスケートじゃない。最後は日本の国旗におじぎした」と話した羽生。東日本大震災では地元仙台で練習中に被災し、避難所でも暮らしただけに、周囲の支えに感謝する気持ちは人一倍だ。リンクの上では「テレビの前で応援してくれる方々の声が聞こえたような気がした」という。

 羽生の活躍に、応援に駆けつけた浅田真央(中京大)や鈴木明子(邦和スポーツランド)も、自身の緊張が解けたかのようなよろこびの表情を見せた。団体のメダルへ、日本は好スタートを切った。