7日に開幕するソチ冬季五輪で、雪のない町で育った現役高校生が日本人メダル第1号を狙って出場する。兵庫県三木市出身のスノーボード男子スロープスタイル代表、角野友基(かどの・ゆうき)選手(17)=東京・日出高2年、日産X‐TRAIL。開会式に先立ち6日に予選があり、決勝は8日。「自分らしい滑りで金メダルを取りたい」と気負いなく語る。

 父雅一さん(43)の影響で8歳からスノーボードを始めた。自宅近くに練習場がなく、平日は1時間以上かけて神戸市内まで通い、雅一さんが休みの日は車に乗せてもらって兵庫県外のゲレンデで滑った。

 練習環境の地理的ハンディがありながら、国内大会でめきめきと頭角を現し、11歳でプロ契約を結んだ。三木市立三木中在学時から海外の大会に挑戦。昨季のワールドカップ(W杯)で初優勝し、五輪代表をつかんだ。

 持ち味は世界が認める回転技だ。先月に米コロラド州であった冬季Xゲーム。1度のジャンプで競う非五輪種目で4回転半の大技を決め、2位に輝いた。「上り調子できている。(本番が)楽しみ」と自信をのぞかせる。

 今どきの若者らしい一面も。競技中はイヤホンをつけて好きな音楽を聴く。「選曲はその日の気分。何か聞いていないと集中できないんです」と笑う。Xゲームで聴いたのは、親交のある人気バンド「ゴールデンボンバー」の曲。同バンドのメンバーは先月末に都内で開かれた壮行会にも駆け付けた。

 通信制高校に在学しながら海外を転戦する日々だが、ふるさとへの思いは強い。三木市役所に応援の懸垂幕が掲げられ「うれしかった」と話す。6日には予選が始まる。「三木は小さなまち。自分の活躍でもっと有名にしたい」。可能性を秘めた17歳がロシアの空に舞う。

(山本哲志)

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 【スノーボード・スロープスタイル】ソチ冬季五輪で初採用。複数のジャンプ台やレールなどの障害物が設置されたコースを滑り、豪快な回転技の難度や完成度を競う採点種目。