日本勢の活躍に沸くロンドン五輪は、早くもきょう12日が最終日。そうは言っても時差の関係で日本時間では本日夕刻から徳山大教員の磯川孝生選手のレスリング、そして下関出身の中本健太郎選手のマラソンと続き、あす早朝に閉会式というからまだまだ目が離せない▼連日繰り広げられる熱戦を日本から応援するうち、今から110年ほど前の1900(明治33)年から02年にかけてロンドン留学をした文豪、夏目漱石が滞在中記した日記の一節を思い出した▼「往来ニテ向フカラ背ノ低キ妙ナキタナキ奴ガ来タト思ヘバ我姿ノ鏡ニウツリシナリ、我々ノ黄ナルハ当地ニ来テ始メテ成程ト合点スルナリ」(明治34年1月5日)。文明の進んだ異国の地で劣等感を抱く漱石の心境がくみ取れる▼とりわけ漱石は小柄な体形で、山口市出身の卓球女子代表、石川佳純選手と同じくらいの背丈だったとか。その石川選手は期待という大重圧をはねのけ、団体で銀メダル、個人でも4位という史上初となる快挙を成し遂げた▼漱石が英国で学んだ時代から一世紀余り。メダルに輝いた選手も、そうでない選手も、ピンと背筋を伸ばし、ロンドンの地を堂々と踏みしめているのが何ともうれしい。(作)2012年8月12日(日)掲載戻る山口新聞ホームへ ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)