ロンドン五輪が閉幕した。日本選手は団体、個人競技を問わず抜群の団結力を発揮し、フェアプレー精神を世界に示してくれた。史上最多メダル38個という快挙は、その賜(たまもの)にほかならない▼国際競技の意義が際立つ大会だった。誤審を避けるためビデオ判定などを導入、それによってメダルの色が変わる場面もあった。国を背負った戦いは判定をめぐるトラブルが大きくなる。その裁定に十分な配慮がされていたと思う▼スポーツの高揚感には多くの感動が伴う半面、扇動者がかかわると、国家間の軋轢(あつれき)を広げる触媒になる。先人たちはそれを良しとせず、五輪憲章に「五輪を政治的に利用しない」と掲げ、ルールを補完し、公平な判定に努力した▼スポーツ精神を尊ぶ人なら、誰も同じ思いだろう。ところが、サッカー、女子バレーの日韓戦直前に、韓国の李明博(イミョンバク)大統領が島根県・竹島に上陸。サッカーの試合後に韓国選手が竹島領有を主張するメッセージを掲げ、五輪憲章を踏みにじる行為と指摘された▼大統領が政治基盤の弱さを補うため、日韓戦の対抗意識に便乗したと、新聞各紙は報じた。韓国が嫌がる国際司法裁判所への提訴に踏み出すきっかけになった、と解説する人もいる。しかし、政治の雑念はつくづく五輪に似合わない▼世界王者としてフェアプレーに徹した、なでしこジャパン。全員が一チーム、と結束した水泳陣。期待という重圧に耐えたバレーや卓球。五輪選手の誇りを胸に戦った日本選手には、月桂樹の冠がふさわしい。(裕) ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)