佐久長聖は長野大会の六試合で平均7・5得点をたたき出した圧倒的な攻撃力に加え、安定した守備、積極的な走塁も兼ね備え、総合力で他校を圧倒した。一年間指導してきた佐藤毅コーチは「食事を充実させ、冬場に徹底的に下半身を強化した成果」と振り返る。  高校に隣接する男子寮の食堂。大会終了直後に訪れると、身長一七一センチ、体重六九キロの本格派エース五味直也投手(三年)は、直径三十センチ、深さ十五センチの特大丼いっぱいにご飯を詰め込み、一気にかき込んだ。「ご飯を食べないと、厳しい練習で体力が落ちてしまうから」と話した。  佐久市へは通学できない茅野市出身のため、入学後は一日三回の食事付きの寮で暮らす。寮の主力メンバーは、一日に同年代の平均基礎代謝の二倍に当たる約五千キロカロリーの食事を取っている。  五味投手の身長は二年四カ月で数センチしか伸びていないが、体重は十八キロ増加。直球も一四〇キロに迫るまで球威を増し、投球の幅が広がった。完投するスタミナも身につけた。五味投手は「この食事がなければ、冬場の練習は乗り切れなかったし、いまの投球もない」という。  約六十人の部員と一緒に寮で暮らす佐藤コーチによると、主力メンバーが食事量を増やしたのは昨秋から。打撃と走力アップに欠かせない下半身強化のため、ランニングを増やしたが、エネルギー消費を補う必要から、必然的にたくさん食べることになった。  県高野連関係者によると、冬場の体力づくりは全国で行われているが、県内では氷点下十度以下になることも珍しくない。グラウンドは凍結して使えず、筋力トレーニングやランニングなど体力強化に大半の時間を割くことになる。  ただ、こうした地味な練習が続くと、部員の士気は下がりがち。そこで佐藤コーチは、全国屈指の実力を誇る佐久長聖男子駅伝部との合同練習を思いついた。ロンドン五輪に参加している佐藤悠基選手もOBだ。  走り込みをする場所は、学校周辺だけでなく山道もあり、変化に富んでいた。時には二十キロ近い走り込みも行い徹底的に下半身を鍛えた。「全国の舞台で活躍する仲間と一緒だから気合いも入った」と、五味投手は厳しい練習にも意欲的に取り組んだ。  「充実した食事と徹底的な下半身強化で培ったスタミナを武器に甲子園で勝ちたい」。宍戸建太主将(三年)はたくましい腕をさすった。 ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)